求職者にとって、年齢や学歴とともに気になるのが自分の職歴でしょう。
税理士業界というと、事務処理がメインというイメージが強いためか、事務の経験がないという理由で応募をためらう人が多いようです。
しかし、これは大きな誤解です。
税理士事務所の担当者にもっとも大切なのは、お客様である企業経営者の方としっかりとしたコミュニケーションがとれるかどうかです。
そしてここが非常に重要なのですが、お客様は必ずしも、税務に関する長いキャリアや高度な税務の知識だけを担当者に求めているわけではないのです。
もちろん、自分の経営している会社が実際に税務調査を受けることになったり、新しい事業展開のために複雑な税金の問題に直面することはあるのですが、こういった場面は数年に一度しかありません。この時ばかりは担当者だけでなく所長税理士と面談するけれども、定期的な面談は担当者だけとしているというケースは多いのです。
すると、お客様が日常的に求めるのは、自社の経理・財務の面倒をこまめに見てくれる、何でも相談できてフットワークの軽い担当者です。
むしろ、キャリアのせいでプライドが高くなってしまい、お客様との関係がうまくいっていない税理士を目にすることも少なくありません。
税理士事務所において、事務処理メインのデスクワークでお勉強のできる人が仕事もできるというイメージは一度取り払ってください。この仕事の本質は「事務」ではなく、お客様が相談しやすい存在になって信頼されることです。むしろ接客や営業のような対人的な職種に近い要素がたくさんあります。
