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税理士事務所の面接対策!転職活動ではここに気をつけよう

 

この記事でわかること

  • 税理士事務所の採用面接での注意点がわかる
  • 面接でよく聞かれる質問を知っておくことができる
  • 面接の質問意図と評価のポイントが分かる

税理士事務所へ転職する際に、最大の関門となるのが面接です。
とくに税理士業界未経験者にとっては、面接で人柄や意欲を買ってもらうことがとても大事になるでしょう。

税理士事務所の面接ではどのようなことに注意すべきなのか、またどのようなことを聞かれるのか、主な内容をまとめました。

税理士事務所に転職したい!面接に臨む際のチェックポイント

 

税理士事務所の面接はこう臨む

少規模な税理士事務所の場合、所長税理士が直接面接をすることが多いです。
人事採用部門の機能がそなわっていない事務所がほとんどのため、所長が会って話すほうが確実だと考えるからでしょう。
20~30人以上の規模の税理士事務所になると、所長税理士は最終面接にまわり、一次面接として所長とは別のスタッフが出てくることが多くなります。

未経験者の面接において、面接官側は「税理士業界や仕事内容を知っているか」と「自分から学ぶ意欲があるか」という点を特に見ています。
イメージだけでこの業界を希望して、具体的な仕事内容を知っていなければ、入社後にミスマッチが生じて辞めてしまう可能性があるからです。

また、税理士の仕事はどれだけ勉強しても知らない事や分からない事がたくさんでてきます。
その全てを教えることは不可能ですので、人としてみずから知識を学んでいく意欲があるか?という点は重要です。
面接から探りだすとともに、簿記資格などもその意欲の表れととらえられるでしょう。

面接に赴く際に気をつけたいポイント3つ

税理士事務所での面接を受ける際、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。
ここでは、3つのポイントについて解説していきます。

服装や身だしなみはきちんとしているか

言い古されたことですが、服装や身だしなみが整っていること、つまり第一印象は重要です。
見た目で人を判断するな!と思う人もいるかも知れませんが、ゆくゆくは顧問先企業の経営者と接する仕事です。
お客様にも良い第一印象を与えることができる人のほうが、採用に近いのは当然と言えるでしょう。
そのため、身だしなみに気を使うことのできない人に対するイメージは、そのまま税理士に対するイメージにつながってしまうのです。
スーツに革靴、カバンなども高級なものは必要ありませんが、きれいで清潔感のあるものを身につけるようにしましょう。

自分の言葉で話すことができているか

税理士事務所の面接でもっとも大事なのは「自分の言葉で話せているか」ということです。
もちろん、中にはコミュニケーションよりも事務処理能力や正確性のあるスタッフを求めている事務所もありますが、将来的に担当者としてお客様との対応まで任せるスタッフの採用面接であれば、この点はとても重要です。

志望動機や前職の退職理由など、面接で必ず聞かれるポイントに適切な準備をして答えることは重要です。
しかし税理士事務所スタッフの仕事の本質は、申告書などの書類作成ではなく、顧問先の社長や経理担当者との対話です。

そのため、わざと用意できない質問や目的のない会話をすることもありますが、正解の返事を返さなければと緊張するのではなく、会話のキャッチボールを楽しみ、思っていることを丁寧に発言するように心がけましょう。

面接官の話に対してきちんと対応できているか

面接の時には、自分の言葉で話をするのと同じように、相手の話をしっかりと聞いているかも確認されます。
申告書や決算書などの書類を作成する際には、顧問先の要望をしっかりと聞き、その要望が反映されたものとなっている必要があります。

また、顧問先にとっては、直接会う機会の少ない所長の税理士より、直接顧問先に訪問している担当者にあらゆる悩みごとや相談を話すこととなるわけですから、そのような顧問先の気持ちをしっかり聞いて理解し、解決に導くことのできる能力が求められます

面接の場でも、面接官の言葉をしっかりと聞いたうえで、それに対する答えを出すことができるのかが問われるのです。

【実例紹介】面接での代表的な質問4つ

それでは、面接で実際にどのようなことが聞かれるのでしょうか。
ここでは税理士事務所ならではの質問と、それに対する回答のポイントを確認しておきましょう。

どうして税理士を目指そうと思ったのですか?

税理士の資格を取得する人の多くは、社会人になってから税理士を目指しています。
そのため、どのようなきっかけがあったのか、面接官も興味を持っているのです。
大学の商学部の友人が受験していたから、簿記3級の資格をもっていたから、など面白みのない理由をすんなり答えるのは得策ではありません。
その友人は税理士試験の受験勉強について何か言っていませんでしたか? 難関資格にチャレンジしてみようと思った熱意はありませんか?

表面的な理由よりも、その当時の自分の心の動きを正直に、簡潔に伝えたほうが、面接官の印象に残るのではないでしょうか。

どうして今の仕事を辞めて、税理士業界に転職するのですか?

この質問では、税理士業界を目指す前向きな意見と、前職を辞めたマイナスの意見と、どちらに重点を置いて話をするかで印象が大きく変わります。
前の仕事や職場も充実していたが、税法を学んでプロとしてお客様に頼られたい、またはお客様の役に立って感謝される仕事をしたい等の流れでまとめると、前向きな印象を受けます。
まったく思っていないことを創作するのではなく、本心のうちポジティブな面だけにスポットを当てて話すようにするのがコツです。
そして、これは面接だけの小手先のテクニックと思われるかもしれませんが、入社後のあらゆるビジネス上の付き合いでも活きるコミュニケーションでしょう。

しかし、前の職場では人間関係に悩んだ、あるいは仕事の内容がきつかった、勤務時間の長さにうんざりして転職を決意したというような話をすると、新しい仕事を始めてもすぐに辞めてしまうのではないかと考え、採用には極めて慎重になります。

また、税理士事務所の仕事は一般企業よりさらに大変な面も多く、他の仕事が大変だったからという理由で転職してきても長続きしないだろうと判断されることとなります。

前職についてマイナスの考えを述べることは、できるだけ避けるようにしましょう。

税理士試験の合格状況はどうなっていますか?

未経験者の場合は、面接での人柄やコミュニケーションも大事ですが、想いや考えを証明するものとして、簿記や税理士試験の合格については自信を持って話すべきですし、不合格だったとしてもその努力の過程は十分なアピールになります。

また、受験して結果待ちの科目がある場合は、そのことも伝えておきましょう。
そうすれば、受験した科目については何らかの知識を持っていると判断されることになります。

ほかに何か聞いておきたいことはありますか?

新卒向けの面接本で正解とされるようなご立派な質問を用意しておく必要はありませんが、せっかくなので「何もありません」とだけ答えるのも寂しいところです。
それまでの話の流れや面接時間に応じて臨機応変に対応しましょう。開始から30分以上経過しているようなら、「聞きたいと思っていたことは、全部お伺いできました」の答えでも構わないでしょう。

本当に聞きたいことを聞いて構いませんが、質問内容は意外に「その人が気にしている事やその人の姿勢」をハッキリと表してしまいます。
たとえば「消費税法の知識がないのですが、御社にはどのような教育体制がありますか?」という質問ひとつをとっても、会社側が教えてくれるまで自ら学ぶ意欲がないのかな?と捉えられてしまうこともあります。

細かすぎる質問になっていないか? 悪い印象を与える言い回しになっていないか? などは注意しましょう。

まとめ

税理士事務所の面接だからといって、特別なことが聞かれるわけではありません。
ただ、この面接だけを上手くこなそうという準備をしないほうが良いように思います。

面接官は、入社後にお客さんと会わせることができる人物かどうか? という目で見てきます。
相手を面接官というよりも、ビジネス上の取引相手という意識で接して、正解を言うことよりも相手と心地よい会話を楽しむくらいの心持ちで準備するのがベストではないでしょうか。