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税理士事務所の給与・年収事情|初任給から10年勤務後をデータ予想

就職活動をする際に「給与がどれくらいになるのか?」は非常に気になる要素です。

今回は税理士業界の給与事情について、データを用いながら業界の中にいる立場から赤裸々にお伝えしたいと思います。

「初任給はいくらくらいか?」
「年間の昇給額は?何歳でどれくらいが相場か?」
「独立したらどれくらい稼げるのか?」

こういった内容をお伝えします。

税理士事務所の給与・年収事情|初任給から10年勤務後をデータ予想

初任給はいくらくらいか?

初任給については、就職情報誌やインターネット、ハローワークなどに記載があります。

ですが、「月給20万円~(能力による)」といった曖昧な表現をされてるケースも多く、実際のところはどれくらいが相場なのかわかりにくいものです。

そこで税理士業界の就職専門誌からデータを拾ったり、知り合いの税理士に聞いてみたりして分析してみました。

その結果、まず正社員の初任給を考える際には
「税理士業界の経験があるか否か?」
「税理士試験の科目は合格(受験)しているか?」
の2つの要素が関係していることが多いようです。

過去2年分の業界就職情報誌のデータを拾ったところ、未経験の方の初任給は「18万円~25万円」が一番多くて全体の8割がこのゾーンでした。

経験者の方では「24万~30万」が相場のようです。

傾向としては、業界全体の人手不足の影響からか、未経験であっても税理士試験の科目合格者は初任給が高いことがわかりました。

「未経験+税理士試験2科目以上」で絞ったところ、初任給は23万以上が相場です。

年齢制限については、未経験の方は30歳未満というところが多いですが、経験者は年齢制限をしているところはありませんでした。

また私の周りの独立している税理士に聞いて回ったところ、こんな声もありました。

「初任給は安く設定しているが、顧問先を1人で担当できるようになったら臨時で上げている。」
「初任給は高めに設定しているが、その後の昇給は低くしている。」

このように真逆の考え方をしている事務所が実在します。

初任給は気になる要素ではありますが、あまり拘り過ぎるのも良くないのかなと思います。

その他、税理士事務所の考え方で学歴や年齢でも初任給が変わる事務所もありました。

経験者については、合格科目の数など関係なく、業界全体で優遇されている状態にあります。

即戦力としての期待値が高いため、どこの税理士事務所でも取り合いの様相を呈しています。

「前職の年収を維持したい」と言った要望が通ることもあります。

年間の昇給額は?何歳でどれくらいが相場か?

入社後にどれくらいの昇給があるのか?

このデータは求人雑誌には明確には書かれているところはありませんでした。

実際には、税理士業は本人の能力が顕著にわかる仕事ですので、能力次第なので記載できないのでしょう。

そこで参考データとして、「事務所経営白書2020(FIVE STAR MAGAZINE)」の「税理士事務所の平均年齢、勤続年数、年収の推移」から一部抜粋をさせていただきます。

会計士・税理士事務所の場合、「平均年齢42.9歳」で「勤続年数10.3年」「平均年収643万円」「平均賞与138万円」というデータがありました。

このデータは従業員数が10人~99人の中堅規模の事務所のデータです。

平均年収には賞与も含まれていますので、賞与を抜いた金額を12で割ると平均の月給は42万円。

初任給が月給25万だったとすると、10年で月給42万円になっているのが、税理士事務所のモデルケースと言えそうです。

まとめますと、
「100人規模の税理士事務所に入社すると、初任給25万で入社して年間の昇給が2万~3万円で、10年勤務して42万くらい。」
が相場ということです。

ちなみに賞与138万円には、インセンティブ等も含まれていると思われます。

税理士事務所によっては、お客様が新規のお客様の紹介をくれた場合や、生命保険に加入してもらった場合などにインセンティブを支払ってくれるところがあるのです。

就職情報誌を見る限り、多くの事務所の賞与が2ヶ月分~3か月分という感じですので、その差額はインセンティブ等と考えられます。

独立したらどれくらい稼げるのか?

さて、では税理士の資格を取得して独立をするとどれくらい稼げるのでしょうか?

これは「国税庁統計年報」のデータを使ったものが、「事務所経営白書2020」にありました。

2012年から2016年までのデータは下記のようになっています。

 

平均所得金額の推移

(出展:ファイブスターマガジン『事務所経営白書2020』P45)

 

「平均所得」で550万前後というのが独立している税理士のリアルな状況です。

これは「所得」、つまり売上から諸経費を引いた実際の実入りが550万前後ということです。

経済センサスによりますと、2016年の税理士事務所の1事務所あたりの平均売上高が約4,200万円。

そこから3650万ほど諸経費がかかって、所得として残るのが550万というのが平均的な独立税理士のリアルイメージと考えてください。

ただし、平均ということは凄く儲かっている人もいる一方、ほぼ利益が出ていない人もいます。

所得1000万を超えている人が33%、所得3000万を超えている人が4%になりますので、独立税理士は手腕次第で大きな差が発生するということをご理解ください。

知っておきたい小規模事務所のリアル

ここまで税理士業界の平均給与や、税理士として独立をした人の平均所得をデータを用いながらご紹介してきました。

最後にひとつ、見落としてはいけないポイントを伝えておきます。

上記の従業員の平均給料は「10人~99人規模の中堅クラスの税理士事務所」のデータでした。

ただ、実際には税理士事務所の圧倒的多数は10人未満の零細会計事務所です。

多くの方が最初に就職する可能性が高いのが、こういった小規模な税理士事務所なのです。

では10人未満の事務所のリアルな状況はどうなのか?

これは、明確なデータが無かったため、実際に弊社に転職をしてきた人から聞き取る方法しかありませんでした。

結論から言いますと、「事務所ごとの格差がすごく大きい」です。

10人未満であっても、中堅規模と同じレベルの給与を出せるところがある一方で、法律の最低賃金ギリギリと言ったところも見受けられます。

また地方と都心部でも差が見られました。

東京や大阪、名古屋などの都心部の税理士事務所は、10人未満の事務所であっても比較的給与は高い水準でしたが、地方の税理士事務所では低いところが多かったです。

これは地方では家賃等の生活費が都心よりも安いため、給料を上げなくても人が集まるという背景もあるようです。

周りの事務所もどこも同じような給与体系だったと言ってました。

都心部であっても、顧問先が減少傾向にある税理士事務所は給料の額も低めです。

逆に10人未満でも「昔から何代も続いている地元の名士のような税理士事務所」や「集客が好調で拡大路線の事務所」は給料が高い傾向にあります。

顧客が増えている事務所は常に求人を出して、常に優秀な人材を求めています。

優秀な人材を獲得するためなら、高めのお給料も喜んで支払うということでしょう。