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税理士事務所の一日のスケジュール

この記事でわかること

  • 税理士事務所で働く人の一日のスケジュールが分かる
  • 税理士事務所の仕事の辛い所が分かる
  • 税理士事務所の仕事の楽しい所が分かる

今回の記事は、28歳男性スタッフの税理士事務所の一日のスケジュールというテーマで、税理士事務所の担当者と呼ばれるスタッフがどんな風に仕事をして一日を過ごしているか、リアルな内容をお伝えします。

とくに、税理士事務所で働こうと考えている求職者の方や、税理士試験の受験生の方に必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.税理士事務所の午前中

早速、税理士事務所の一日のスケジュールをご紹介していくのですが、今回、モデルケースとしてお話を聞かせてもらった人物は、税理士業界未経験から弊社に飛び込んできて、現在、入社から約3年が経った、28歳の男性担当者です。
入社前から日商簿記2級を持っていて、入社後に簿記論に合格して、税理士の科目合格ひとつという状況の方です。
その方の、この撮影日の数日前の、実際の一日を詳しくインタビューしました!

ここで担当者という職種について一言だけ説明すると、お客様と直接お会いしたり電話のやりとりをする、お客様にとってのサービスの窓口となる人を言います。
税理士事務所では、担当者以外に、担当者のサポート役として会計ソフト入力などの内勤業務だけをするアシスタントという職種の方もいますが、今回の動画ではこのうち、税理士事務所の担当者の一日の仕事をリサーチしていきます!

午前8時30分 出社

片道約40分かけて、定時の30分前に会社に到着しました。
まずはパソコンを開いてお客様とのメールチェックや、社内スタッフとのチャットで自分が反応すべきものがないかチェックします。

弊社では、お客様からメールの受信があると、とにかくすぐに返信するように徹底しています。

即答できないような質問の時でも、「ご質問ありがとうございます!詳細を確認して2日後の夜までにご回答いたします」といった具合にまずは反応だけしておきます。
前日の退社時以降にもらったメールに対して、朝イチに対応していくという感じですね。

メールなどを全てチェックし終わると、今日一日の予定をざっと確認します。

午前9時 報告資料の準備

この日は10時半から来社するお客様との面談のために、弥生会計を操作して、試算表や月次レポートなど、報告資料の仕上げをしていました。

ほんとは、前日以前に仕上げておくべきなのですが、この日はお客様との直前のやり取りがあって急な修正対応をしたそうです。

弥生会計のデータ入力自体は、アシスタントさんがやってくれているので、入力された弥生会計のデータをチェックしながら、直接直していきます。

報告レポートはexcelなので、報告内容をイメージしながら、数字に間違いがないか、どの数字に重点を置いてどういう報告をしようか、などを考えながらチェックします。

午前10時30分 来社面談(月次報告)

今回は毎月お会いしているお客様なので、面談の内容は、先月一ヶ月分の収支がどうだったかという確認と報告とか、今期の経営状況の確認、前期の業績との比較などがメインテーマになりました。

数字だけでなく、お客様が考えている今後のビジネス展開や採用計画などについても、自分が役立てる種が落ちているかもしれないので、色々な話をします。

2.税理士事務所の午後

午前12時20分 昼食

面談が正午を過ぎてしまったので遅めのランチです。男性スタッフは同僚数名と外食する人が多いです。

他には、お弁当を買ってオフィスのデスクでパソコンを見ながら一人で食べる人も多いですし、お弁当を持ってきて、数名でお話しながら食べる方もいます。

ベンチャーサポートはどのオフィスも主要駅の近くにあるので、外食のお店に困ることはありません。

午後1時20分 法人決算の修正業務

午前中の面談が終わってすぐにランチに向かったので、ランチから戻ったら面談内容をまとめておきます。

お客様とのやり取りで大事な内容を話した時は、面談でも電話でも、かならず文章にして、後から見返した時に内容が分かるように、関与記録として残しておきます。

そして、今月提出期限の法人の決算修正作業に取り掛かります。

法人税の申告は決算日から2ヶ月が期限ですので、12月決算、2月申告の法人の決算業務です。

弊社では、担当者が法人の決算を完成させたら、申告書を作成する前に2人の別のスタッフに、決算の数字に誤りがないかどうかをチェックしてもらいます。

一次検算、二次検算と呼んでいるのですが、この日は、以前提出していた一次検算が戻ってきて、いくつか修正の指摘があったので、必要に応じてこれを直した後、また別のスタッフに二次検算を依頼しました。

午後2時30分 法人決算の修正業務

12月決算、2月申告のさっきとはまた別の法人の二次検算が戻ってきたので、検算の指摘事項を確認したところ、今回は修正が必要ありませんでした。

ここからは基本的に、決算の内容が変わることはありませんので、電話やメールにてお客様に決算の数字などをざっくりと報告しながら、申告書に印鑑を頂くための面談日程などを調整していきます。

午後3時 法人決算の検算業務

そうこうしているうちに今度は、他のスタッフが作った決算を一次検算して欲しいという急ぎの仕事の依頼が入りました。

周りのスタッフは今日予定が埋まっていて時間を空けられそうになかったので、自分が引き受けることにしました。

検算は、先輩・後輩関係なく、間違っている処理や、疑わしい処理を指摘し合って、解決法を探っていく作業ですので、やればやるほど、実務能力が格段にアップしていきます。
やってる最中は期限も迫っていて、そんな高尚なことを考える余裕はないですが、何件も繰り返すと自分の成長を一番感じられる業務だと思います。

3.税理士事務所の夕方

午後6時 個人決算の検算業務

2月は一年の中でも忙しい時期で、とくに3月15日の所得税の確定申告期限を無事に迎えるまではどの税理士事務所でも業務量が多くなります。

弊社は、そういった業務の偏りをなるべく避けるため、会社設立・創業支援という当初の強みに立ち戻って、個人事業主のお客様について、ここ1・2年は積極的に獲得しなかったり、顧問契約を減らす方向に徐々にシフトしています。

しかし、所得税の確定申告は個人事業主だけでなく、法人の代表者が医療費控除やふるさと納税をして必要になるケースなどもあり、申告件数はやはり多いです。

個人事業主の決算についても、法人と同じように検算の仕組みがあります。

この日は、自分の担当顧客について必要な業務がすべて終わったので、検算待ちの山になっている個人事業主の決算を5件チェックし終えたら帰ろうと決めました。

法人と個人事業主で、またチェックするポイントが微妙に違っていたりするので、間違いにきっちり気づけて、指摘できた時は嬉しいです。

期限が決まっているうえに、件数もたくさんあるので繁忙期はもちろんしんどいですけど、忙しい業務の中でも自分の達成感や成長を感じられることを見つけて取り組んでいます。

4.税理士事務所の夜

午後7時30分 退社

個人事業主の決算を5件チェックし終えたら7時半になっていました。自分が一日に何をしたかという日報メールを書いて、今日はこれで帰ります。

今は確定申告時期なので、21時まで残る日もありますが、家の用事がある日は18時過ぎにすぐ帰ることもあります。

コロナ前は、同僚と晩ご飯を一緒に食べたり、お客様に誘われて居酒屋で飲んでから帰ることも多かったですが、最近はだいたいまっすぐ家に帰っています。

5.税理士事務所の仕事の辛い所

今回、モデルケースとしてお話を聞かせてもらった未経験から入社3年が経った、28歳の男性担当者に、せっかくなので税理士事務所の仕事の辛い所と楽しい所を追加でインタビューしてみました。

税理士事務所の仕事の辛い所は、大きなお金に関わることだし、期限もあるので責任が大きいことです。
上手く進められたときは良いですが、期限まで余裕がなくなってしまったり、お伝えした金額とずれることもあります。
間違えるとお客様に迷惑がかかるという所ですね。

そういう緊張感があるからこそ、そうならないように勉強しないとダメだし、責任をもって仕事を進めることが大事だと身にしみています。

6.税理士事務所の仕事の楽しい所

税理士事務所の仕事の楽しい所は、お客様が全員、経営者な所です。
私は色んなビジネスの話をするのが好きなんですが、会社の社長と2人きりで話せる機会って、仕事じゃなければ、普通はほとんどないと思います。

そして、打合せを終えたお客様が満足して、帰ってくれることがすごく嬉しいです。
面談は今でも毎回緊張しますが、自分ができる限りのアドバイスをして、それに価値を感じてもらえた時に充実感を感じます。

あとは、お客様からご友人の紹介を頂いた時ですね。「良い税理士事務所があるよ」って声をかけてもらって、そこから新しく顧問契約に繋がった時は、自分のこれまでにしてきた仕事が全部肯定された気持ちになるのでとても嬉しいです。

と、こんな風にインタビューに答えてくれました。
とても入社3年とは思えないほど立派に仕事をしているのが伝わってきましたし、本当にこの仕事が好きで、向いているなーと思いながら聞いていました。