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税理士が説明する「年収と手取りの真実」

この記事でわかること

  • サラリーマンの年収と手取りの違いが何か分かる
  • サラリーマンと経営者の違いが何か分かる
  • 税理士の仕事が分かる

この記事は、税理士が説明する「年収と手取りの真実」というテーマで、手取りが少なくて困っているサラリーマンの方から、税理士試験受験生、税理士業界で働こうと思っている方などに向けて、年収ごとの手取り金額がいくらか?についてお伝えしていきます!

1.サラリーマンの年収と手取り・一覧表

早速ですが、令和3年最新版の、サラリーマンの年収と手取りについて一覧にしたものがこちらです!

サラリーマンの年収と手取り・一覧表

そもそも年収と手取りって何が違うのかと言うと、給与明細に載っている、額面と手取りの違いの1年分のことです!

具体的には、額面のお給料から、

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 所得税
  • 住民税

は、天引きされて振り込まれるのがサラリーマンのお給料です。

税金という響きのほうが重い負担に聞こえますが、年収500万円の人を例で見てみると

  • 健康保険料は25万円
  • 厚生年金保険料は46万円
  • 所得税は14万円
  • 住民税は24万円

と所得税が4つの中でダントツで一番小さく、社会保険料2つの合計が約70万円とかなり負担感のある金額となっています!

年収500万円の人の手取り額

2.サラリーマンの年収と手取りについて

あなたはこの年収と手取りの一覧表を見て、どう感じたでしょうか?

年収だけ聞くと高いように見えても、自由になるお金が少ない!!貯金することも考えたら、自由に使えるお金なんてない!!

という声は聞こえてきそうですね。
この数字だけ5分間ずっと眺めていられそうなぐらい、個人個人の感想は違うと思うのですが、私が一番感じるのは、高年収を目指すことに夢を持てないなーということです。

年収500万円の人が、年収1千万円に500万円昇給するのって、ものすごい仕事の努力が必要じゃないですか?

でも500万円昇給して、手取りがいくら増えるかというとたった339万円だけです。

サラリーマンの年収と手取り・500万円から1千万円に昇給

年収1300万円の人が、年収1700万円に400万円昇給したときはもっとひどくて、手取りはほぼ半分の218万円しか増えません。

サラリーマンの年収と手取り・1300万円から1700万円に昇給

この一番の原因は、累進課税制度といって、年収が高い人ほど、所得税率が上がる仕組みです。稼いでいる人からは税金をたくさん取っても問題ないでしょうということですね。

最近では、令和2年の給与所得控除の改正で、年収850万円以上の人の控除が15万円分減ってしまいました。

今月政府が発表した、18才以下への10万円給付についても夫婦のいずれかが年収960万円以上の家庭は対象外となってしまいました。

年収1000万円ぐらいもらっている人はいくら増税しても叩かれない風潮というのが、ちょっと残念な気がします。

それも、手取り1000万円だったら分かりますけど、年収1000万円って手取り730万円ですからね。
すごく贅沢ができるほどの生活ではないように思います。

3.サラリーマンと経営者の違い

ここまでサラリーマンの年収と手取りについて説明してきました。

では、経営者の年収と手取りがどうなっているか、分かるでしょうか?

事業主、いわゆる個人事業を営んでいる方は、今説明した計算とは大きく異なります!計算方法が全然違います。
そもそも社会保険に加入していなくて、国保と国民年金の方もいらっしゃいます。

これに対して、会社経営者、いわゆる社長は、さきほど説明した、サラリーマンとまったく同じ、年収と手取りの計算をします。

それどころか、社会保険料は自分個人の負担に加えて、会社が負担している分も支払っているので、サラリーマンの2倍の社会保険料を払っている感覚を持っていても変ではありません。

でも、「うそ!?社長って良い車乗ってるし、もっと自由になるお金がたくさんあるでしょ?」と感じる方が多いのではないでしょうか?

その感覚は、正解です。

個人事業主も会社経営者も、自分が営んでいるビジネスの一環として経費が使えるから、サラリーマンの方とは、羽振りがちょっと違うんですね。

ズルはできないですけど、事業で使うものは、事業のお金で買えるというわけです。

もちろん、自由にはできないですよ!
服代とか散髪代とかそんなのはお給料の手取りからしか支払えません。

ただ、社用車とか、取引先との会食とかは、正当に事業のお金を使いますから、そうやって贅沢をして、SNSに写真を投稿したりすれば、サラリーマンの方からは、ずいぶん派手に見えるのだと思います。

4.税理士の仕事

年収と手取りの話から、サラリーマンと経営者の自由に使えるお金の違いの話まで広がりましたが、どういう感想を持たれましたか?

今話したテーマが、まさに税理士事務所の仕事として触れる部分なので、こういう話に興味がある方は、税理士事務所で働くことにはとても適性があると思います。
私も、税理士業界に入る前から、こういう話は多少、小難しくてもすごく興味を持っていました。

税理士事務所の仕事ということでいうと…
さきほど、年収と手取りの一覧表を出していたときに、表のどの辺に注目していましたでしょうか?

今の自分の年収の部分と、そこから1つ2つ上がった時の年収を見ていたという方、それが普通だと思います!

税理士事務所の仕事は、自分の年収だけでなく、年収1500万、2000万、3000万それ以上の、事業を成功させている経営者が当てはまるゾーンの数字を気にする仕事です。

税金や社会保険料のルールを熟知すると、この手取り金額を合法的に増やす工夫がたくさんあることに気づきます。

経営者の方と月額3万円の税理士顧問契約を結んで、年収2千万円の時の1310万円という手取りを1400万円にしたり、所得税以外にも会社の税金負担を減らす提案をしたりすることが私たちの仕事です。

こういった仕事を楽しそうだな、専門性が身につきそうだな、と思ったらぜひ、税理士業界に興味を持ってくださいね!!