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日商簿記3級or2級!どっちを目指す?

この記事でわかること

  • 簿記検定の種類がわかる
  • 日商簿記3級・2級は就職活動に使えるかがわかる
  • 日商簿記3級・2級で学ぶ知識レベルがわかる

日商簿記3級と2級では、就職活動への影響力がどれくらい違ってきますか?
3級と2級で、身につく知識レベルはどう違いますか?
日商簿記3級に受かったのですが、2級も目指したほうがいいですか?

この記事では、こういった疑問を持つ、学生や社会人の方にむけて、簿記検定の中でももっともメジャーで、企業側の評価も高い、日本商工会議所主催の「日商簿記検定試験」の3級と2級の違いについて詳しく説明していきます。

現役の簿記講師にインタビューして内容を吟味しましたので、よりリアルな情報をお伝えしていきます!

1. 簿記検定の種類

簿記検定の種類

簿記の資格と聞いたときに、多くの方が思い浮かべるなじみのある資格といえば、日本商工会議所主催の簿記検定試験、いわゆる日商簿記検定でしょう。

しかし、簿記検定には、日商も含めて3種類の検定試験があります。
全国経理教育協会が主催する、全経簿記検定試験。
全国商業高等学校協会が主催する、全商簿記検定試験。
日本商工会議所が主催する、日商簿記検定試験。

「全経簿記」「全商簿記」「日商簿記」と呼ばれるのですが、全経や全商は聞いたことがない人も多いと思います。

この3つ、何が違うかというと、受験者層がおおきく違います。
全経簿記は、主に経理専門学校の専門学生などが受験します。
全商簿記は、主に商業高校の高校生などが受験します。
日商簿記は、大学生や社会人、更には高校卒業後に就職する方など簿記を学習した方ならだれもが受験します。

ではこの中からどれを選べばいいか?

就職や転職活動に活かしたい、履歴書に書ける資格が欲しい、決算書を読めるようになりたいなど、色んな目的があると思いますが、どんな目的にせよ

ズバリ
日商簿記3級・2級を目指して間違いはありません。

学習教材も一番充実しています。

ということで、ここからは日商簿記検定にしぼってお伝えしていきます。

2. 日商簿記3級・2級は就職活動に使えるか?

日商簿記3級・2級は就職活動に使えるか?

資格取得を目指す前に一番気になる点は「合格すればどんなメリットがあるのか?」ということです。

僕の同僚以外にも、別の税理士法人・会計事務所で採用担当や面接官を務める人 数名に直接インタビューしましたが、採用の書類選考では簿記の資格の有無を絶対にチェックすると、全員が言っていました。

特に日商簿記2級を持っていれば基本的な仕訳についてはきっちり理解できていると判断されて、次は、会計ソフトに触れたことがあるかどうかをチェックするということでした。

 

日商簿記2級の勉強はしたけど不合格だった人や日商簿記3級だけ持っている人の印象も聞いてみた所、1つでてきた意見は、「2級に合格しているほうが分かりやすく加点しやすいけど、2級が不合格だったとしても学習経験がある時点で税理士業界や経理関係の仕事を志望していることは分かるから、志望動機の裏付けや、学習意欲がある人として評価できる」というものでした。

別の意見では、「履歴書をそんなに細かく見てない。会計事務所の勤務経験があるか? が一番大事で、未経験なら年齢と人柄を見てほぼ決める。資格は、簿記検定や税理士試験の記載があるかどうかを5秒程度で流し見するだけ」ということでした。

税理士事務所によって、資格取得の評価については差がある意見がでましたが、僕の考えも加えると、履歴書って、そもそも的はずれな事は一行たりとも書けない書類ですよね?
そこに堂々と書ける情報がある、というだけで確実にプラスになると思います!

自信を持って、日商簿記3級を目指し、履歴書には堂々と記入しましょう!

3. 日商簿記3級・2級で学ぶ知識レベル

日商簿記3級・2級で学ぶ知識レベル

日商簿記3級、2級では、具体的にどんなレベルの知識を学ぶのでしょうか。

日本商工会議所のホームページを見てみると

3級では、

業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

そして2級では、

経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

と書いてあります。

 

3級に関しては、就職活動のためだけでなく、自分で所得税の青色申告をしたい個人事業主やフリーランスの方が勉強のために取るケースなどもあります。
簿記を学んで青色申告すれば、最大65万円の青色申告特別控除が受けられますからね!

また、決算書を見たときに何が書かれているか、意味は分かるようになります。簿記を学習しないと、決算書は暗号のようにしか見えないですからね!その段階はクリアできるようになるでしょう。

 

2級に関しては、製品を製造・販売している中小企業などで特に威力を発揮します。

製造原価を細かく計算・管理・分析することで、数字から経営判断に活かせる情報を拾い出すことも不可能ではなくなってきます。

決算書の見方にも慣れて、決算書からより多くの情報を読み解くことができるようになるでしょう。

4. 日商簿記の実施日

日商簿記の実施日

日商簿記検定の実施日については、3級・2級ともに毎年3回、日曜日に開催されています。

  • 2月の第4日曜日
  • 6月の第2日曜日
  • 11月の第3日曜日

以前はこの統一試験しかなかったのですが、2020年12月から、日商簿記3級と2級については、ネット試験が始まっています。

ネット試験!?ってすごく不思議な感じがすると思うんですが、場所は、商工会議所が認定した、パソコンで受験できる設備がある施設、テストセンターと呼ばれる場所に行って受験します。

試験日は、そのテストセンターごとに実施している日取りが決まっていて、開催されていればいつでも受験できるようになっています。

試験時間が大幅に変わっていてネット試験だと3級は60分、2級は90分とかなり短縮されています。
2021年の6月試験からはネット試験も統一試験もこの試験時間に揃えられます。

 

統一試験を受けるべきか、ネット試験を受けるべきかですが、早く腕試ししてみたいと感じる方はネット試験を受けてみるのもいいと思います。

学習計画を立てやすいのは、日時が決まっている統一試験のほうがしっかり準備できると思うので、統一試験を見据えながら計画していくのが良い方法でしょう!

 

統一試験ならではメリットは、3級と2級の併願、つまり同時受験ができることです。

3級と2級は開催時間が必ず別になっているので、統一試験の場合は、同じ日に3級と2級の試験を受験することができます!

2級の学習が十分進んでいる方は、ぜひこの併願にチャレンジしてみてください!