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税理士試験とのつきあい方

税理士業界経験者の目線から、この業界で働く上での税理士試験との上手なつきあい方を考えてみます。

まず、税理士試験の受験に専念するのがいいか? 働きながら勉強するのがいいか? と悩む人が多いのではないでしょうか。

これは、その人の置かれている状況によって大きく異なります。税理士事務所で2、3年以上の勤務経験がないのであれば、基本的にはまず税理士事務所で働くことを優先するようお勧めします

業界経験がないまま年齢だけを重ねてしまうと、未経験で入社できる税理士事務所の選択肢がかなり減ってしまうからです。

まだ若くて独身の人などは、業界未経験でも受験専念を選びやすい立場にあり、実際にそれが許される状況でもありますが、仮に受験専念する場合でも最長2年間と区切ることをお勧めします

3年目、4年目も受験当初の熱量を維持し続けることは難しく、だらだらと専念期間が伸びてしまいかねないからです。これは、2年以上の業界経験を経て受験専念する人も同じで、ブランクが長くなると、業界経験の価値は下がってしまいかねません。

また、受験専念か働きながらの受験かにかかわらず、税理士試験に挑戦した人の半分以上は、税理士になれないまま5年、10年……と過ごしているという現実も覚えておいてください。そもそも合格率約10%の競争試験なので、当然の結果とも言えます。

長丁場の試験なので、途中で生活環境が変わり、勉強に集中できない時期が来てしまうのはよくあることです。

だからといって、税理士試験に対して悲観的になってほしいわけではありません。何年も科目合格できないケースも想定した上で、柔軟な計画を立ててみてはどうでしょうか?

たとえば、消費税法や法人税法のような実務に直結する税法を選べば、たとえ不合格が続いても、そこで身につけた知識は確実に仕事に活かされます。職場の先輩より詳しくなれば、職場での自分のポジションも確立できるはずです。

また、地道に学習を継続すれば、5科目は無理でも3科目合格には手が届くかも知れません。この3科目は、法人税法・所得税法という学習ボリュームのもっとも大きな税法を避けても構わないのです。

そうすれば、残り2科目は大学院に通うことで科目免除を受け、最終的に税理士資格を手にすることができます。

税理士資格が遠い目標に思えた時は、とにかく目先の1科目を毎日20分でもコツコツ勉強する癖をつける。

学習を続けながら、試験の合否だけに一喜一憂せずに、今いる職場で必要とされるポジションや、税理士業界で必要とされる人物を目指して一日一日を自分の成長につなげていくとよいでしょう。どのような形であれ、努力は必ず報われる試験です。