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会計事務所と税理士事務所、税理士法人はどこが違う?

税務会計を扱う事務所には「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」等、さまざまな名称があります。

会計事務所と税理士事務所、税理士法人はどこが違う?

まず、多くの人がはっきりと使い分けていない会計事務所と税理士事務所の違いを説明します。

国家試験に詳しい人なら、事務所の所長が公認会計士だと「会計事務所」、税理士だと「税理士事務所」という名称になっているのではないかと考えるかも知れません。しかし、代表の資格はまったく関係なく、ネーミングの好みだけの問題で、意味合いの違いはありません

ただ、「会計事務所」「税理士事務所」はいずれも個人事業主であることを意味します。個人事業主とは、会社組織ではなく「商店」に近いイメージで、その大きな特徴として、代表税理士に万が一のことがあった場合、事務所が廃業となってしまいます。

一方、「税理士法人」は法務局に登記された法人であるという点が、前者2つとは明確に異なります。

税理士法人として登記するには、代表税理士が2人以上必要となります。法人組織なので仮に代表税理士が2人とも亡くなったとしても、会社としては終わりにはならずに代表が代わって継続していくことになります。

税理士法人制度は平成13年(2001年)の税理士法改正時に創設された比較的新しい制度です。

それまで個人の税理士資格だけで行っていた税理士業務を、新たに法人形態でも行うことができるように作られました。制度創設の背景は、納税者の利便性の向上のためとされていますが、とくに個人事務所の税理士の高齢化対策という意味合いが強いと考えられます。

税理士業界は高齢化が進んでいるため、個人事務所の代表税理士が突然亡くなってしまった場合に、そのお客様たちが困らないよう、組織化を推進することが急務と考えたのでしょう。

税理士法人は個人事務所とは異なり、代表者が亡くなっても組織が存続するという特徴の他に、支店を設置できる等の大きなメリットがあります。

令和3年(2021年)現在、全国で税理士の個人事務所の数は約5万6400、税理士法人の数は約4300となっています。

本書(「税理士事務所で働こう!」および当サイト)では、今後とくに使い分けが必要ない場合、会計事務所、税理士事務所、税理士法人をまとめて「税理士事務所」と記載します。