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税理士事務所の最適な転職時期はいつ?

この記事でわかること

  • 税理士事務所の1年間の仕事の流れが分かる
  • 税理士試験のスケジュールから考えた転職時期分かる
  • 新卒採用など学生の転職が分かる
  • 税理士事務所への転職活動のおすすめ時期が分かる

税理士事務所で働きたい、税理士事務所に入りたいという場合に、就職活動する時期はいつにするべきでしょうか?

一年の中で、税理士事務所への転職活動の時期として最適なタイミングを税理士事務所の採用担当側の視点から解説していきます!

1.税理士事務所の繁忙期

税理士事務所への最適な転職活動時期、を知るには、まず税理士事務所の1年間の仕事の流れを知っておきましょう。

一般的な税理士事務所は、だいたいどこも、1年の間で繁忙期と閑散期がはっきりしています。

このチャンネルの別の動画で「税理士事務所の残業」という回があって、そちらでも説明させて頂いたのですが、税理士事務所の繁忙期はざっくり、冬から春にかけて、です!

税理士事務所の最適な転職時期 税理士事務所の1年間の仕事の流れ

年末調整の作業が始まる11月から繁忙期がスタートし、12月の年末調整が終わると、1月は法定調書といって役所に書類を提出する作業、それが終われば今度は3月15日の所得税の確定申告にむけて、個人事業主の一年間の損益を計算します。

3月15日の所得税の確定申告期限を過ぎると、少し慌ただしさは落ち着きますが、それまでに貯まっていた通常業務を進めなくてはなりませんので、3月決算法人の確定申告を5月に提出し終わるまではまだまだ繁忙期が続くという感覚です。

3月決算、5月提出の法人税の確定申告ラッシュが終わると、どの税理士事務所もだいたい一息つける閑散期を迎え、次に本格的な繁忙期を迎えるのは、また年末調整の作業が始まる11月頃になります。

 

では、この繁忙期をうけて、税理士事務所に転職活動をするのに最適な時期はいつになるでしょうか。

税理士事務所の採用目線でいうと、業界経験者か、未経験者かで、入社して欲しい時期が違ってきます。

業界未経験者の場合、今お伝えした繁忙期に入社すると、業務の手順を教えるために、社内のスタッフの時間が余分にかかってしまいますので、できれば、繁忙期にさしかかる2・3ヶ月以上前には入社して、事務所に慣れておいてもらえると嬉しいというのが本音です。

逆に、たとえば、2年とか3年以上の業務経験がある方は、即戦力として、繁忙期直前とか繁忙期の真っ最中でも、入社は歓迎されると思います。

 

事務所の方針にもよりますが、この繁忙期の状況を考えると、業界未経験の方が転職するときは、入社日がだいたい4月~10月になるように活動するのが望ましいと思います!

入社がこの時期なので、応募、面接、内定はここから逆算した日で、その税理士事務所がホームページで積極的に求人募集をしているかどうかなどをチェックした上で、応募のタイミングを考えましょう!

 

ただし、所得税の確定申告や法人の決算の時期が関係ない税理士事務所、たとえば相続税専門の税理士事務所などには、今説明した繁忙期は当てはまりませんので注意してください!

2.税理士試験のスケジュール

続いて、税理士試験のスケジュールから考えてみましょう。さきほどの繁忙期は、税理士事務所の採用目線で見ましたが、今度は、税理士試験の受験という求職者側のタイミングから、転職時期を考えてみます。

税理士事務所もこの試験のタイミングはしっかり意識しているので、税理士試験を受験しない方も、聞いて損はありません。

税理士試験は、毎年1回、8月上旬に行なわれます。そして、合格発表は12月の中旬です。

試験専念組、つまり働かずに試験勉強をしている受験生で、翌年の試験まで試験専念すると決めている人以外は、8月上旬の試験が終わったらすぐに就職先を探す人が多いです。

試験後すぐに働き始めるために、6月7月から就職活動を始めている専念生もいれば、就職活動も試験勉強のジャマになると考えて、試験が終わった日まで、就職活動をしない人もいます。

この試験前後の時期は、さきほど説明した税理士事務所の閑散期とも一致していますし、資格専門学校のTACや大原も、試験後のこの時期に大きな会場を借りて、たくさんの税理士事務所を集めて、就職面談会を開催するほどこの業界では、転職活動などの盛んな時期です。

求人募集企業の数も増える時期ですので、6月から8月の時期は転職の狙い目と言えるでしょう。

そして、合格発表のある12月はどうでしょうか?
求人応募している税理士事務所の中には、税理士試験の科目合格が必要な所や、税理士の有資格者になると応募条件が変わるような求人があります。

そのため、求職者のなかには、自分の科目合格数が変わった12月から就職活動を始める人もいるのです。

税理士事務所もこのタイミングを分かっているので、募集していないということは無いのですが、税理士事務所の業務のことを考えると、年末調整真っ最中で、求人の面接や、新人の教育にさく時間が他の時期に比べて少なくなっています。

そのため、8月と比べると税理士事務所の転職市場はそこまで活発ではないように思います。

もちろん、随時求人募集をしている税理士事務所もあるので、とくに経験者で、科目合格が増えたような方は、積極的にこの時期を狙ってみるのもいいと思います!

3.新卒採用など学生の転職

次に現在学生の方に最適な、税理士事務所への転職時期について解説します。

正直に申し上げると、税理士業界では「新卒採用」は一般的ではありません。ほとんどの税理士事務所が実施していないと思ってもらって間違いないでしょう。

BIG4と言われる、グローバル展開している税理士法人の求人募集要項を見ると新卒採用募集の文字は見られますが、募集人数は「若干名」などとなっており、かなり狭き門と言えるでしょう。

では、学生から税理士事務所に就職することはできないのでしょうか?

答えはNOです!
税理士事務所がしていないのは、新卒一括採用なので、一般企業のように、夏くらいに就職活動をして、来年4月の内定を獲得する、というスタイルを取っていない、という意味です。

つまり、税理士事務所で4月から働こうと思えば、その前年の夏から応募すると少し早すぎるので、たとえば繁忙期に入る前の11月頃とか、2月に応募するのが望ましいと思います。

ただ、税理士事務所によってこのあたりの判断は違って、夏に内定をもらってそこからアルバイトとしてその事務所で働き、4月に正社員になるというパターンなどもあります。

不安であれば、採用窓口に直接電話して聞いてみるのもよいでしょう。

4.転職活動のおすすめ時期

税理士試験の受験もしていないし、学生でもない、税理士事務所の経験者でもない、という、税理士業界未経験者の方は、結局いつ転職活動をすればいいのでしょうか?

税理士事務所の最適な転職時期 転職活動のおすすめ時期

お勧めはズバリ4月~10月です。なかでも8月は人の動く時期ですので、4月~8月と少し早めに動いたほうが有利でしょう。

ただ、あまりこの時期を意識しすぎなくても大丈夫です!

基本的には、人手がほしい税理士事務所は1年を通じて求人募集をしていますし、ホームページを見れば、今募集中かどうかは、事務所ごとに分かるからです。

求人の応募はあまり時期を気にしすぎなくてよいですが、税理士業界の業界事情として、11月~3月頃が繁忙期ということくらいは、知っておいて損はないでしょう!