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税理士事務所に就職するなら?大手と個人の違い

この記事でわかること

  • 大手税理士法人とは何かが分かる
  • 個人税理士事務所とは何かが分かる
  • 大手税理士法人と個人税理士事務所の就職・転職活動の違いが分かる

この記事は、大手税理士法人と個人税理士事務所の違いというテーマで、これから税理士事務所に就職しようという方や、今いる税理士事務所からの転職を考えている方に向けて、大手と個人の税理士事務所の実務経験で得られるスキルの違いや、就職活動をするときの違いについて解説していきます!
ぜひ最後までご覧ください。

1.大手税理士法人と個人税理士事務所とは

税理士事務所の就職先・転職先を探すにあたって、あなた自身が希望する、勤務地、休日、給料、仕事内容などいろんな優先事項があると思いますが、従業員の数によって税理士事務所を分類するのが、一番分かりやすく、特徴をつかみやすい分け方になると思います!

なぜかというと、皆さんが思っている以上に、税理士事務所は規模の小さい所が多くて、日本全国の税理士事務所のうち約90%が、スタッフ10名未満、だからです。

税理士は、資格を取れば独立開業。というイメージのとおり、小規模で開業して、税理士は所長のみ。あとは全員、無資格者だけという事務所が本当に多いです。

10名未満の税理士事務所が圧倒的に多いので、一般的な「大手」の認識とはまったくずれているのですが、この記事では、パートも含めた全従業員が20名以上の税理士事務所を大手、20名未満の税理士事務所を個人事務所として、解説していくことにします!

2.大手税理士法人(20名以上)

大手税理士法人(20名以上)

まず、税理士法人の最大手と言って最初に思い当たるのがBIG4税理士法人です。

BIG4とは、世界展開する会計事務所のネットワークに参加している次の4つの税理士法人のことを言います。

  • PwC税理士法人
  • デロイトトーマツ税理士法人
  • KPMG税理士法人
  • EY税理士法人

スタッフも数百名を超えて、文句なく大手税理士法人に分類されます。

BIG4の顧客は、外資系企業や上場企業が中心で、英語力を活かして海外で活躍したり、他では経験できないような大きな業務に携わることができます。

人材育成・教育制度もしっかり整っていて、給与待遇も税理士業界の中では最高水準です。

さて、一旦BIG4の話は置いといて、国内系の税理士法人で、従業員規模が20名以上の所を見てみましょう!

20名以上の事務所でも、50名以上、100名以上、300名以上とで全然中身が違ってきますが、ここでは、ざっくりひとまとめにして、大手税理士法人で働くことのメリットとデメリットを見ていきます!

大手税理士法人のメリットはまず、給与待遇面です。小規模の税理士事務所と比べると、初任給からその差は歴然です。賞与や福利厚生なども調べてみると、全然違うことに気づくと思います。

また、教育制度、研修体制なども整備されている所が多く、とくに未経験から入社した場合は、大手になればなるほど、ひとつずつステップアップして学んでいける環境が整っています。

同期入社や、同年代のスタッフも多いので一生の友人ができることも多いでしょう!
人数が多いことで人間関係も薄まるので、特定の人との人間関係に悩む可能性は低くなります。

仕事内容は、税理士事務所次第で変わってきますが、お客様によっては、上場企業やそれに近い規模の会社もあるので高度で専門性の高い仕事を経験できる可能性があります。

つづいて、大手税理士法人のデメリットを見ていきましょう。

まず個人事務所と比べると、業務量が多く残業が多い傾向にあるということです。ただ最近は、大手か個人かというよりも会社の方針次第で、大手でも早く帰れる税理士法人はあります。

また、高度で専門性の高い仕事を経験できるというメリットの裏返しなんですが、仕事が部門別の分業制になってしまって、幅広い業務の経験ができないことがあります。

実務経験に偏りができてしまったり、代表税理士と、いちスタッフとの距離感が遠いことから、自分が将来税理士になって独立開業する際の参考になりづらいということも言えると思います。

3.個人税理士事務所(20名未満)

個人税理士事務所(20名未満)

次に、従業員規模が、所長税理士、正社員、パートさんを含めて20名未満の税理士事務所を見てみましょう!

最初にお伝えしたとおり、全国にある税理士事務所のうち、ほとんどがこの個人事務所に該当します。

個人税理士事務所のメリットはまず、お客様が急に増えるようなことがないので、業務量が多すぎることもなく、残業は少なめの事務所が多いです。

また、お客様も中小零細企業や個人事業主が多いので、基本的に分業することはなく、一連の仕事すべてに自分が関わることができますので、仕事の全体像が把握しやすいです。

代表税理士との距離が近く、日々何をやっているかがよく見れますので、税理士事務所の経営の実態がイメージできて、自分が税理士として独立する際に役立つ経験が得られます。

続いて、個人事務所のデメリットを見ていきましょう!

まず、事務所ごとの当たり外れが大きいということです。労働環境の良し悪しは所長税理士の考え次第ですので、とても良い事務所と、とても悪い事務所に極端に分かれるのが特徴です。

教育面についても基本的には、未経験者の研修制度のようなものがないため、教えてくれる人次第で、教育の質がガラッと変わってしまいます。「見て盗め」という事務所も存在します。

そして、未経験者の給与水準はかなり低いことが多く、事務所によっては社会保険に未加入のこともあります。

また、高齢の所長税理士になると、自分が数年勤めたあと、所長が引退して、事務所が解散してしまうようなケースも実際に聞きます。

 

ここまでで、大手税理士法人、個人税理士事務所のメリットとデメリットを解説しました!

ただ、どちらか1つを選ばないといけない、究極の選択、という訳ではなく、大手税理士法人から個人税理士事務所に転職したり、その逆もよくあることなので、それぞれの特徴を知ったうえで就職する、ということが重要になります!

4.就職・転職活動の違い

大手税理士法人と個人税理士事務所の就職活動の違い

次に、大手税理士法人と個人税理士事務所の就職活動の違いについて説明します!

同じ税理士事務所なのに、就職活動に違いがあるのか?と思われるかも知れませんが、あります!

これは採用側の都合を考えればすぐ分かります!

大手税理士法人は採用にお金をかけることができるので、人材紹介会社、エン転職などの求人媒体、税理士業界専門の転職サイトなど、転職者の目につきやすい場所で有料の求人募集をかけることができます!

そのため求職者からすると、複数の応募枠があっても競争率は上がってしまうことが多いです。

個人の税理士事務所は採用に大きなコストをかけることができないので、応募枠も少ないですが、競争率も低くなりがちです。

つまり、未経験から税理士業界に転職する場合、大手税理士法人は採用選考に通ることが難しく、個人税理士事務所は求人募集を見つけることが難しい、と言えると思います!

なので、税理士業界への転職のコツは、いろんな手段を使って、未経験者を募集している税理士事務所を、できるだけたくさん見つける。ということです!

今はスマホで簡単に求人情報が集められますので、

  • スマホで税理士事務所を直接検索する

という方法の他に、

  • ハローワークインターネットサービスで検索する
  • 求人専用の検索エンジンのindeedで検索する

なども試して、まずはネットでできる限りの情報を集めましょう。

税理士業界専門の求人情報サイトとしては、人材ドラフトや会計求人プラスなども有名なので、ぜひ調べてみてください。

この時、上のほうに写真付きで出てくる求人ばかりを探すのではなく、下のほうの文字だけの求人募集もしっかり最後まで見て、応募の候補に入れることが大事です!

大原やタックの就職情報誌などを見るときも、最初のカラーのページばかりではなく、最後のほうの、白黒の小さい求人募集までしっかり目を通しましょう!

 

転職活動の結果、不採用が続いてしまうと気持ちが落ち込んでしまうかもしれませんが、税理士試験の受験者数の減少などもあって、税理士業界は、求職者の売り手市場とも言える状況です。

ヤル気にあふれるあなたを、絶対に必要としている税理士事務所があるはずですので、諦めずにチャレンジしてみてください。

 

まず税理士業界に入り込む。これも難しいとは思いますが、求人応募などの情報収集を怠らずに、なんとか実現させてみてください!

なんとかして一度、税理士業界に入り込んで、半年とか一年以上の職歴をもってしまえば、次の転職はうまくいく可能性が格段に上がりますし、選択肢もとても広がりますよ!