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大手税理士事務所とは?その特徴やメリットデメリット

この記事でわかること

  • 大手税理士事務所と中小税理士事務所との違いについて理解できる
  • 大手税理士事務所が自分にあっているかどうか考えることができる
  • 大手税理士事務所の特徴や就職のメリットがわかる

税理士を目指している人にとって、大手税理士事務所は憧れかもしれません。
大手税理士事務所と、街にある小規模な税理士事務所とでは、取り扱う仕事の内容が違っていることがあります。

大手税理士事務所へ就職を考える際は、将来的に自分がどのような働き方をしたいのか、どのような分野で活躍したいのかを考慮する必要があります。
今回は、大手税理士事務所の特徴や、メリット、デメリットをご紹介します。

大手税理士事務所とは?その特徴やメリットデメリット

 

大手税理士事務所の主な業務とは?

大手税理士事務所と呼ばれる事務所は、日本だけではなく海外に向けたサービスも展開していることがあります。
海外の大手の会計事務所などと提携して仕事をしていることもあります。

語学力などを必要とすることもあるでしょう。

大規模な企業を顧客に抱えることも多いです。
さらに、企業合併、事業承継、金融、国際税務などの特殊な業務も扱います。

この章では、大手税理士事務所の主な業務をご紹介します。
ここに挙げたものはあくまでも一例であり、ほかの業務や、ルーティーンワークがあることもあります。

企業税務サービス

税金に関する書類の作成、申告の代理や税務相談などを行っています。
中小の事務所でも税務顧問業務を行っているところは多いですが、大手税理士事務所の場合、中小事務所が扱わない規模の大きなクライアントもいることがあります。

大手税理士事務所は、基本的に大手企業を相手にして業務を展開しています。
日系企業、外資系企業金融機関などの、業種ごとのチームに分かれて税務相談を行います。

中小規模の事務所の場合は、その土地の中小企業や個人事業主をお客様として、税務顧問サービスをしています。

金融機関など特殊な業種も顧問先とする点で、大手税理士事務所は特殊と言えるかもしれません。

税務コンサルティング

大手事務所の行なう税務コンサルティングは、組織再建や事業承継などの特殊で専門的な内容も含みます。

新聞やテレビのニュースで、会社の合併や解散を目にすることがあると思います。
合併は会社同士の話し合いで決まっていくわけですが、大手税理士事務所が関係していることがあります。
企業同士の合併は、税務サービスの中でも特殊分野です。

さらに、事業承継分野もあります。事業承継分野では、ある会社がほかの会社の事業を承継する際の税務面でのサポートを行います。

国際税務

国際税務で扱うのは具体的に、インバウンド税務(企業が海外から日本に進出)やアウトバウンド税務(日本から海外へ進出)の他、タックスヘイブン、関税、移転価格などの税務を行っています。

国際税務は、一部門として設けられることもあるのですが、他の部署で国際税務を行うこともあります。事務所によって、部門を分けているところもあれば、そうでないこともあります。

大手税理士事務所の繁忙期はいつ?

大手税理士事務所の繁忙期は1月から6月と言われています。
部門や案件によって違いはありますが、決算との関係で特に1月から3月、4月が忙しくなります。

  • 12月決算の企業の税務申告業務…1月から3月が忙しい。
  • 3月決算法人の確定申告業務…4月から6月が忙しい。

これらを総合すると、1月から6月が忙しく、それ以外の時期については比較的休みが取りやすくなります。

中小規模の税理士事務所では、記帳代行や記帳指導などの毎月ある業務をメインにしているところがあります。
記帳代行や記帳指導には特に季節性がありません。
年間通じて満遍なく仕事がある状態です。

大手税理士事務所では、記帳代行や記帳指導は少ないため、忙しい時期は忙しいですが、そうではない時期は休みやすいのです。

大手で働くメリット5つ

大手税理士事務所で働くことのメリットをご紹介します。

専門性が高い

大手税理士事務所は、専門性の高い業務をしています。
中小規模の税理士事務所の場合は、定番の業務を幅広く対応するというイメージで、専門性の高い業務というよりも税務周りの基本的な業務を全部こなす仕事をします。

大手税理士事務所の場合は、部門ごとに分かれて仕事をするため、例えば国際税務業務をしたい場合は、国際税務業務をメインとして働くことができます。

中小規模の税理士事務所の場合は、国際税務をしたくても案件がそこまでなかったり、他の業務も多くしなければならないかも知れません。

専門性が高いので、税法の解釈などかなり高度な業務も行います。
中小規模の税理士事務所の場合は、そもそも少人数で高度な内容に対応するような特色の事務所でなければ、そこまで高度な案件を任さられることはありません。

経歴でアピールできる

大手税理士事務所は、士業の人々の間でも、一般の人にも名前が知れ渡っていることがあります。
もちろん知らない人もいることもありますが、少なくとも税理士の間では大手税理士事務所がどのくらい有名な事務所なのかはわかるでしょう。

転職するときは、大手税理士事務所できっちり教育された人という印象を履歴書で与えることができますし、独立したときはその経歴をHPに載せて、それだけ大きな規模の会社が依頼してもしっかり対応できるという印象を与えることができます。

転職先の選択肢が増える

大手税理士事務所に勤務した後は、税理士として独立する以外にも、大手企業、金融機関、ベンチャー企業のCFOや顧問などの転職先が見つかる場合があります。勤務時代に、大手事務所の看板で仕事をするのではなく、自分の力で一生懸命クライアントに尽くせた人はこのような選択肢もでてくるでしょう。

年収が高い

大手税理士事務所の年収は、業界内でも高めです。
高額な報酬を貰えるというのも、大手税理士事務所で働くことのメリットと言えるでしょう。

大手で働くデメリット3つ

大手税理士法人で働くことのデメリットは3つあります。

繁忙期がかなり忙しい

繁忙期以外はさほどでもありませんが、繁忙期はとにかく忙しい状態です。
業務時間や通勤時間の関係で、プライベートな時間の確保が難しくなる可能性も否定できません。

大手事務所での経験が独立に活きてこない場合がある

専門とする分野によっては、一般的な税理士事務所の開業ノウハウが貯まっていないため、独立時に経験が活きてこない場合があります。
大手企業しか必要のない特殊な分野だと、独立直後の自分には大手が仕事を任せてくれないかも知れません。

オフィスが大都市にしかない

大手税理士事務所は大都市圏にあることが多いので、入社と同時に引っ越しが必要だったり、毎日満員電車での通勤を覚悟しなくてはいけないでしょう。

それ以前にそもそも、採用のハードル自体が高いことも入社前の求職者にとってはデメリットと言えるかもしれません。

まとめ

今回は、大手税理士事務所はどのような業務をしているのか、大手税理士事務所で働くメリットやデメリットなどをご紹介しました。

大手税理士事務所だからこそ経験できる業務もありますし、そうではない業務もあります。
例えば、将来的に大手税理士事務所で長く働きたいとか、大企業やベンチャー企業などの会計の専門家になりたい場合は、大手税理士事務所で積んだ経験がダイレクトに活かせるでしょう。

一方で、中小企業や個人事業主をクライアントとした税理士事務所の独立開業を考えている場合は広く浅く、様々な業務をできる必要があります。
特殊案件は滅多に来ず、むしろ定番の業務を確実にこなせることが重要です。

経験を積む際にも、自分の将来像と合うかどうかを検討することが必要です。
自分のなりたい税理士像に合わせて、キャリアを積んで行きましょう。

また、下記の記事では「就職・転職を避けるべき税理士事務所を見つける」という視点から税理士事務所の求人の見極め方をお伝えしています。興味のある方は参考にしてみてください。

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