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税理士事務所で働きたい!志望動機の作り方

この記事でわかること

  • 転職に有利な志望動機を書けるようになる
  • 税理士事務所の求人応募するときの注意点が分かる
  • 税理士事務所に好まれる人材がイメージできる

税理士事務所で働くためには、まず採用面接にたどり着くための書類選考を突破しなければなりません。

税理士事務所ごとに欲しい人物像が大きく異なるので、正解は1つではないですが、
書類選考を通過するうえでは、やみくもに我流で書くよりも、
こういう風に書くべきというコツやセオリーに沿ったほうが採用が近づくでしょう。

今回は税理士事務所に応募するときに使える「志望動機の作り方」についてご紹介します。
動画で見たい方は下のyoutubeから、
このままホームページで読みたい方はページを下にスクロールしてお進みください!

 

志望動機の組み立て方

税理士事務所に応募する際に大切になるのは、志望動機です。
税理士事務所の募集にも色々な職種があります。
簿記や税理士の科目合格は不問という求人と、それらに合格した人限定の求人に分かれます。

いずれの場合も志望動機は必要であり、重要です。

資格不問の求人については、そこまで業界について知識を求められることはないでしょう。
というのも、資格不問の求人は、入社してすぐは経理の単純作業から始めることを想定しているからです。
初めは詳しくなくても、仕事をしながら学んでもらえれば大丈夫というスタンスの事務所もあります。

一方で、税理士の科目合格などが応募条件の求人は、入社直後からお客様との対応を期待されている可能性があります。

募集内容によって、どこまで志望動機をちゃんと読んでもらえるのかが違いますし、志望動機に期待されていることそのものが違うということをまず理解しましょう。

業界を選んだ理由を書く

志望動機の前半部分は、なぜその業界を選んだのかを書いて下さい。
新卒の方の場合は他の業界との比較が難しいかもしれませんが、転職の方の場合は、経験からもとの職種の業界との比較もできますし、書きやすいのではないかと思われます。

例えば、「従来はシステムエンジニアとして働いてきたが、会計ソフトの開発に関わるようになって税理士という仕事に興味を持った。自分で勉強して簿記検定1級まで取得した。勉強した会計の知識を生かしたいと思い、税理士業界を選んだ」などというように、これまでの自分のストーリーをわかりやすく再構成しましょう。

学生であれば「大学では会計学を勉強し、現在は税理士資格の取得のために勉強中である。現時点で2科目は合格できている。大学で勉強したことを、実務でも生かしたい」「人の大切な財産を扱う仕事に興味を持った」「会社の良きアドバイザーとしての税理士になりたいと思っている」というような理由で良いでしょう。

その事務所を選んだ理由を書く

ところで、なぜその事務所を選んだのでしょうか。
税理士事務所は日本全国にたくさんありますが、なぜその事務所を選んだのかは必ず聞かれることです。
例えば、「働き方改革に積極的な事務所なので、プライベートとも両立できると思ったため」とか「所長をはじめスタッフの平均年齢が若く、勢いがありそうだから」「事務所内で研修会を開催するなど、勉強できる環境が整っているから」などの理由があります。

他の事務所と、あなたが応募したいと思っている事務所とはどこが違うのでしょうか。
ホームページをよく見たり、事務所の見学をするときに観察するなどして、他の事務所との違いを理解しましょう。
そして、違う部分を事務所の魅力として捉え、志望動機に書くといいでしょう。

ちなみに、家から近いからという理由だけでは不十分です。
家から近いだけで、特に事務所に興味を持っていなさそうに読めてしまいます。
本当な家から近いというのが一番の理由であったとしても、「近隣に住んでおり、前から気になっていた。事務所を見学して印象がとても良かったのでぜひ働きたいと思った」というように、上手に他の理由とつなげてください。

将来どうしたいのかを書く

将来的にどうしたいのかを、必ず書いてください。

税理士を目指している人の場合は、試験に合格したら独立をするのか、当面は独立しないのかが重要です。
というのも、試験に合格した後も事務所に残ってもらえるのであればその方がいいと思っている所長もいれば、試験に合格して独立することを推奨する所長もいるためです。

税理士事務所の考え方にもよりますが、資格を取って一人前になったらそれなりのお給料を払わなければなりません。
単なる手伝いとして雇用しているのであれば、給料はそこそこに、独立時には特に引き止めないというところもあるでしょう。
一方で、資格に見合った給料をきちんと支払うので長く事務所で働いてほしいと思っている所長もいます。

事務所として将来的にどうして欲しいのかという点は、入社しないとはっきりわかることではないかもしれませんが、書類選考の次の段階の面接でしっかり所長と話し合ってください。

志望動機の正しい書き方(例文も明記)

志望動機の正しい書き方を例文でご紹介します。

新卒者の場合

私が貴事務所を志望する理由は、顧客である企業にアドバイザーという形で関わることができる税理士という仕事に魅力を感じたためです。

中小企業のアドバイザーをモットーに活動されている貴事務所であれば、経営面も含めた相談相手としての税理士になることができるのではと考えました。

私は、小さい会社を経営する両親のもとで育ちました。周囲も中小企業や個人事業主が多い環境でした。経営面で悩んでいることを、なかなか相談できない社長の姿も見かけました。経営に詳しい税理士であれば、中小企業の社長や事業主の力になれると思います。

税理士資格について、5科目中2科目を合格しています。貴事務所で働きながら、残りの3科目を合格し、税理士資格を取りたいと思っています。将来的に独立することについては、現時点では予定がありません。長く貴事務所で働きたいと考えています。

業界のことはよくわからなくても熱意が伝わる

新卒者の場合、業界を始めそもそも世間のことがよくわからないので、業界についての知識は最低限でも大丈夫でしょう。
他の事務所との違いを明確に冒頭で述べており、自分がしたいことと、事務所の独自性とを関連させながら志望動機を書いています。
現在も勉強中であり、しばらく勉強を続け、将来的には独立を考えていないので長く働きたいと思っている、という流れもわかりやすいです。

既卒者の場合

私が貴事務所を志望する理由は、国際税務に携わることができるためです。国際税務を主軸に据えている事務所はこの地域には貴事務所しかなく、独自性のある事務所だと考えています。
前職では外資系の不動産会社で不動産関連のコンサルティングをしていました。英語と中国語については、ビジネス上で必要な会話ができます。
国際税務で、特に土地関連の税務の仕事があれば、ぜひとも担当したいです。前職の期間中に、簿記検定2級まで取得しました。今後は税務会計の勉強をしつつ、語学も生かした仕事ができればと思っています。

前職との関連がわかる

既卒者で転職者の場合は、前職との関連性を書きましょう。
外資系の不動産会社で不動産関連の仕事をしていた、という過去を書いた上で、国際税務の特に不動産関係の税務を担当したい、という希望を述べています。
国際税務に詳しい事務所だから応募した、という流れもわかりやすいです。

税務はこれから勉強するにしても、語学のアドバンテージがかなりあります。
採用したいと思わせる志望動機です。

志望動機のダメな書き方(例文も明記)

志望動機のダメな書き方もご紹介します。
この通りに書いてはいけません。
どこがダメなのかを考えながら読んでください。

単に近所だから応募したパターン

家から近いので応募しました。学生時代は運動系の部活動のキャプテンをしていました。体力はある方だと思います。よろしくお願いします。

他の事務所との違いがわからないし業界に興味もない

知識を前提としないアルバイトだったら通るかもしれませんが、事務所の戦力としては期待されないでしょう。
なぜこの事務所を希望するのか他の事務所との違いがわからないですし、業界についての知識もなさそうな印象を受けます。

給与を前面に出しすぎるパターン

他の事務所と比較して給与が高いので応募しました。頑張りますのでよろしくお願いします。

なぜ給与が高いのかわかってなさそうな印象がある

応募する側にとっては、給与が高いことは大事です。
ただ、なぜ給与が他よりも高いのでしょうか。
仕事が忙しいとか、知識や資格、経験を持った人にきて欲しいからではないでしょうか。

いきなり給与が高いからという理由を持ってくるあたり、あまり良い印象ではありません。

個人の想いがありすぎる

私は税理士になるために5年間勉強してきました。あと残り1科目合格すれば税理士資格を取得できます。
税理士の仕事は素晴らしいと思います。(以下略)

事務所のために何ができるかが書かれていない

事務所はボランティアで人を雇うわけではありません。
所長は、事務所のために何ができるかをスタッフにも考えて欲しいと思っています。
税理士になりたいのはわかりますが、なぜこの事務所を選んだのかも伝わってきませんし、自分本位な印象の志望動機です。

評価されるポイント

税理士事務所が欲しい人材は、以下の通りです。

・税務についての関心や知識があること(資格があるとわかりやすい)
・事務所の他のスタッフとうまくやっていけること(コミュニケーション能力)
・その人を雇用することで事務所の経営にプラスになること(営業が上手だったら顧客が増える、仕事が速かったら処理件数が増えるなど)

募集の内容にもよりますが、小さい事務所の場合は人柄重視で、税務の勉強は働きながらで大丈夫というところもあります。

なぜこの業界を選んだのか、どうしてこの事務所を選んだのか、その必然性とは何か、としっかりと書けるようになりましょう。

まとめ

今回は、税理士事務所に応募するときの志望動機について例文付きでご紹介しました。
志望動機は、何回も書いてみないと、特に作文が苦手な人にとっては上手に書けないと思われます。
今回取り上げたポイントや文例をもとに、アレンジして、まずは志望動機を一通り書いてみて下さい。

また、下記の記事では「就職・転職を避けるべき税理士事務所を見つける」という視点から税理士事務所の求人の見極め方をお伝えしています。興味のある方は参考にしてみてください。

hiroakifuruoya.hatenablog.com