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勤務税理士としての出世ルートはどんな感じ?

こんにちは、ベンチャーサポートの古尾谷です。

会計業界も広告規制緩和による競争が激化し、税理士法人も増える中、個人事務所でやっていくのが以前よりも厳しい状況になっているため、かつては税理士資格取得と同時に独立する人も多い業界でしたが、いまや独立ではなく勤務税理士としての出世の道を考える人も多くなってきています。

今回は勤務税理士としての出世ルートを考えていきたいと思います。

勤務税理士としての出世

1 会計事務所幹部としての出世

日本の一般企業での出世は新入社員として入社した会社で、同期と競争をしながら更なる上の役職を目指していき、最後その会社で定年を迎えるというのが以前の出世ルートの常識でした。一方で、現在は「ワークライフバランス」「時間外労働規制」が叫ばれる時代になり、副業を解禁する大手企業も出てくるようになってきましたが、今も形は変わってはいるものの多くの会社がそのような出世ルートを王道に考えているところが多いはずです。会計事務所は資格業の特性として入社してくるメンバーはほぼ9割以上が中途入社という形になってきますので、一般企業と比べてスタート地点は異なりますが、最終的な出世ルートとしては一般企業と同じようにその事務所を運営する側の人間になれるか?といったところになってきます。このような考えをもっているのは組織化会計事務所(スタッフ40名~100名)以上の規模になってきます。組織が成熟している規模なので、定期的な昇給と退職の年齢も決まってます。教育・管理体制もしっかりしており、顧問先担当の仕事以外に事務所の運営をする立場としての役割を果たす幹部としてどれだけ事務所の発展に貢献していけるかが出世の鍵となってきます。幹部的な役割を果たせるようになるためには、勿論、自分の仕事(法人顧問担当など)をしっかり回すことができるのはもちろん、実務以外にもビジネスマンとしての仕事の質、人間性共に高めていくことが前提です。その人の実力が周りの信頼を生み自ずと大事なポジションへと上がっていきます。実務と仕事の質を高めていける環境でしっかり自分を磨いていくことがこの業界で出世するための鍵となるでしょう。

会計事務所幹部としての出世

2 様々な知識と経験を持つスペシャリスト

また反対に、企業に縛られずに専門的なスキルと自身の価値を高めることで、転職市場でより自分を高く売ることができる人もいます。1社ではなく複数の転職経験があり、もしくはフリーランスになる時期も含め、経験を積んで自由な働き方を選択する人もいます。しかし、これらの働き方の欠点は収入が安定しないことが多いことです。若いうちは自分の可能性を広げる、経験を増やすという意味においてはプラスに働きますが、いつまでも職場が安定しないとその人の信頼=給与を高めていくことが難しくなってきます。この場合は、最終的に独立起業の道を選ぶのがよいかもしれません。

これは会計事務所でも同じことが言えます。転職先の会計事務所の専門分野が異なれば幅広い知識や経験を有することが出来るようになりますが、経験してきた実務能力の全てを活かせる大手の事務所はほとんどありません。なぜなら大手事務所は業務の分野ごとに部門で対応する組織になっているため、最終的にはどこか一つの部門でまずは結果を出していかなければならないからです。法人ができる、相続ができる、コンサルが出来る、これらの能力や経験を最も認めてくれる規模は、創業5年以内の集客に強い新興会計事務所です。顧客を選別せず、来た案件は全てこなしていきたいという創業時期の会計事務所であれば一時期的に大変重宝されることになります。ただし、創業期はいずれの会計事務所も過ぎていき、更に転職を繰り返すことになれば安定した収入の確保が難しくなりますので、やはりこの場合、独立開業をすることがその人にとっての自由な働き方の実現方法になってくると思います。

 

3 まとめ

実務の経験や知識を高めていくことは、資格業として当然と言えますが、自分のやりたい仕事を優先しすぎてしまうことは転職回数を増やすことに繋がってしまいます。年齢とともに担うべき仕事は自分の仕事から、会社全体の仕事にまで及んでくるのが必然です。勤務税理士として出世するためには税理士としてビジネスマンとしての両方のスキルを磨いていくことが求められてきます。

 

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