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会計業界で就職や転職を考えている人向けに会計事務所の実態をリアルに書いていきます。

税理士事務所の転職活動で失敗しない求人の探し方

こんにちは!ベンチャーサポート税理士法人の古尾谷です。

転職は将来へのステップアップ。もちろん転職がゴールではないし、将来の自分の成長やキャリアアップが目的のはずです。税理士としてこの業界で働いていくのであれば、志高く将来「なりたい税理士」をイメージして、妥協なき転職活動を行ってください。

「なりたい税理士」のイメージを描く

会計事務所の転職活動で失敗しない求人の探し方

みなさんは「なりたい税理士」のイメージ持っていますか?税理士の仕事も範囲が広いので、中小企業経営者の頼れる相談役になりたいとか、問題解決型のコンサル的な仕事をしたいとか、相続に特化した専門特化型の税理士になりたいとか、今の自分の持っている経験とスキルに照らし合わせて税理士の仕事のイメージを描いている方が多いかと思います。

「なりたい税理士」という表現からはそれ以上に、ビジネスマン的なお客様への対応の仕方や付き合い方、仕事の仕方であったり、突き詰めると人間的な成長といったところまで考えることが出来ます。

税理士という職業は、会計事務所で働いてみるとわかりますが、パソコンと向き合って一人で税金計算をするようなイメージとは正反対だということ。お客様とコミュニケーションを図り、信頼関係を構築していくといったビジネスマンとしての能力、人間力が求められるのが税理士という仕事です。この業界で何年働いても、どんなに仕事の経験を積んだとしても、個人のそこの能力が成長していかないと、イケてない税理士になってしまいますし、税理士の仕事の魅力を100%教授することはできません。

また、大事なところでいえば、独立開業を目的としているか、勤務税理士なら給与をどこまで上げていきたいか、具体的なリアルのビジョンを描くことが必要です。

転職活動時期に本気になれなければ、一般的な会計事務所の求人に甘んじてしまったり、引いては就職・転職を避けるべき会計事務所求人に当たってしまう可能性も高くなるでしょう。また、税理士試験も両立しなければいけないと、つい仕事が楽そうな会計事務所に転職を考えてしまう人は大切な20代という成長の機会を失ってしまうことにもなりますので。税理士試験との両立に悩んでいる方はこちらの記事をお読みください。

税理士試験は何科目あると就職に有利?

「なりたい税理士」になるための情報収集

1 会計事務所の仕事の幅を知る

会計事務所の仕事の幅を知る

せっかく転職をするのであれば、会計事務所の仕事の幅を知っておくべきです。会計事務所の仕事と一口にいっても、スタンダードな税務顧問サービスでさえ、顧問先の規模が違えば、提供するサービス、必要なスキルは異なるでしょう。会計事務所のほとんどは、大企業税務を除いては、これらを中小企業税務顧問と称していますが、実際のところは基本は同じとしても、求められる仕事の中身は全く違うといっていいでしょう。また、医療専門、介護専門、飲食店専門などの業種特化して行う形もありますし、私達ベンチャーサポートのように起業家支援に特化といった仕事もあります。その他、業務特化として、相続税申告業務、資産税業務、国際課税に関する業務、IPO支援や企業再生などのコンサルティング業務なども会計事務所の仕事です。

このように会計事務所の仕事は多岐にわたっております。実務について見なければ本質のところはわかりませんが、転職前にどういった仕事なのかは、書籍やネット検索すれば情報も出てくるので、イメージはできるくらいにはしておきましょう。

このイメージを作っていくのに、一つ方法があります。

会計事務所によって仕事の考え方をしることです。会計事務所によって考え方は千差万別です。会計事務所の業務を見る際にも、この仕事の考え方をみることで、その仕事のスタンス的なところが見えてきます。

例えば、相続は「問題解決型」ビジネスだ

これは資産税で有名なタクトコンサルティングの本郷尚先生がおっしゃってることです。

ベンチャーサポート税理士法人では起業家支援を下記のように伝えています。

「生まれたての起業家のエネルギーを肌で感じ、会社の成長を一緒に喜び、問題が起きたときには心の支えとなって、そしてまた成長をしていく」

いわゆる社長のパートナーになれる仕事という意味です。

他の会計事務所も持っているはずです。色々な会計事務所の仕事の捉え方を見ていく機会が持てれば、その仕事の本質を考えていけることになってきます。

また、こういった仕事に対する考え方を持っていない会計事務所からは学べるものは少ないでしょう。

2 会計事務所の所長税理士の考え方を知る

会計事務所の所長税理士の考え方を知る

会計事務所経験があれば、ある程度、自分なりの考え方も出てくるはずです。零細会計事務所で劣悪な環境で勤務している人たちであれば、状況が見えていない所長税理士よりはるかに会計事務所のあるべき姿が見えてくるのではないでしょうか。

会計事務所の規模は零細会計事務所、小会計事務所がほとんどですから、会計事務所の環境は所長税理士で決まるといって過言ではないです。その所長税理士が考えている会計事務所像。これに共感できる会計事務所でなければ、転職入社して自分の「なりたい税理士」になれる環境にはならないはずです。中堅会計事務所、組織型会計事務所、大規模会計事務所と大所帯になってくれば、この会計事務所の方針が色濃く出てきますので、ホームページや求人媒体でその会計事務所の考え方的なところを読み取ってください。本質的なところは所長税理士、会計事務所の考え方に隠れています。

ベンチャーサポート税理士法人の中村のメッセージがとてもわかりやすいので、一部抜粋してみます。

 

「おかしい慣習は全部取り払います。」

・昔から残る師弟制度のなごり
・理不尽な先輩からの仕事の振り方
・お客様の方を向かず先生業にあぐらをかく体質
・人間関係が悪く、雰囲気も暗い
・わけのわからないルールがはびこる
・所長は平日からゴルフに行ったり飲んでばかりで仕事しない

僕自身も同じような思いを抱えながら独立前に3つの会計事務所で働いていました。

自分が独立してベンチャーサポートを作ろうと思った時、こういうおかしな慣習をすべて取り払った新しいタイプの士業事務所を作れば、どれだけみんなが楽しく働けるだろうと考えていました。

 

全文は、ベンチャサポート税理士法人代表者メッセージ|求人サイト より

 

3 税理士業界を知る

税理士業界といっても最新の情報を収集しましょうということではありません。あまり世の中に具体的に情報として出てきませんが、会計事務所の規模や所長税理士の年齢による事務所の特徴を掴んで置くことが良いかと思います。

 

 ・会計事務所の規模分け

税理士は日本税理士連合会の調べで平成27年12月末日段階において75,665人、税理士事務所の数は平成26年2月に総務省・経済産業省の産業別集計で24,583事業所、うち税理士法人の届出数が3,198事業所となっています。

統計を見ても税理士法人の数自体も少なければ、100人以上の会計事務所も全国で見ても相当少ないことがわかります。もちろん、規模の大きさが全てではありませんが、会計事務所の大半が零細会計事務所でおよそその数9割ということです。100名超の大規模会計事務所は日本でも数えるほどで、一般企業とは比較対象に成りにくいのが特徴です。

下記に規模ごとに会計事務所の特徴が書いてありますのでご参照ください。

(1)   零細会計事務所(スタッフ5名以下)

(2)  小会計事務所(スタッフ6名~15名)

(3)  中堅会計事務所(スタッフ15名~40名)

(4)  組織化会計事務所(スタッフ40名~100名)

(5)  大規模会計事務所(スタッフ100名超)

(6)  四大税理士法人(いわゆるBIG4)

(7)  専門特化型会計事務所(相続、医療など)

(8)  急成長会計事務所(創業者が40歳以下の新興勢力)

 

・所長年齢別、会計事務所の特徴

大きく4つに分けています。税理士年齢分布図から見れば、第一世代がほとんどで、第二世代までで大半を占め、第三、第四世代は貴重だということがわかります。

この世代分けはよく僕らが税理士業界の話をするときに良く使うんですが、税理士業界の縮図が良くわかるかと思います。ご参考にしてください。

(1)第一世代(創業者が60歳代以上)

(2)第二世代(創業者が45歳~60歳)

(3)第三世代(創業者が35歳~45歳)

(4)第四世代(創業者が35歳以下)

4 会計事務所経験年数ごとの転職状況を知る

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状況や環境、志向が違えど、採用する側の会計事務所からすれば経験年数で判断される側面が非常に強いです。また、求職者としても、あくまで自分の今の実力と自分の希望から主体的に決めていってください。税理士試験合格科目数や学歴でネガティブになる必要は全くありません。自分が成長できる環境、自分の経験を活かせる環境、よりよい評価・給与を得るための環境を求め、自分のキャリアアップのための転職を成功させるためには、まずは、自分の今の状況・評価がどのくらいのものかを認識することが第一歩となります。

会計事務所経験2年で転職

環境が悪く、会計事務所経験1年・2年未満で転職

会計事務所経験3年~7年で転職

会計事務所経験8年以上で転職

 

5 会計事務所の将来性、給与水準を確認する

会計事務所の将来性、給与水準を確認する

やりたい仕事、その会計事務所の考え方、これをクリアしていけばあとは、その会計事務所の将来性と自分の未来の成長と将来の給与、具体的なリアルな側面ですが、本気で転職を考える場合にははずせないところですよね。もちろん、給与が先に来てしまうと「なりたい税理士」像から外れて、目先の給与につられて、結果的に転職が失敗したなんてことにならないように。

ここの給与の確認というのは最も難しいかもしれません。採用側の会計事務所も出してあげたくても、中々出しにくいというのもあります。

先輩写真の給与の昇給例が開示されていたり、その会計事務所での成長ステージを明示してくれたりしてくれるところであれば、わかりやすいかもしれないですが、もちろん社員によって成長の速度が異なれば、評価も変わってきます。同時期入社の人の給与に乖離がでてくるわけですが、どんどん昇給していくモデルケースの開示はその人より評価が低い、その人のほうが成長しているということなんですが、社内では逆の影響力を及ぼしてしまう可能性もありますからね。これはぶっちゃけベンチャーサポートで考えていたことですが。

そういった実力で昇給していける会計事務所には、給与アップイメージが描けるはずなんですが、どんなに頑張っても昇給が乏しい会計事務所も多いのが実態です。

どこで判断するか?

・面接でストレートに聞く

これはもう、面接でぶっちゃけ聞いたときのリアクション等で判断するしかないとかと思います。ベンチャーサポートでは、聞かれなくてもこちらから、頑張ればどんどん昇給するよと伝えたり、20代で新たに支店のリーダーとして企業内独立に近いことをやってるメンバーも2人いるよと話をしています。また、各支店のオフィスの運営を行っている実力ある社員たちも若いメンバーがばかりです。こういった話が出てくるだけでも、その会計事務所の将来性はもとより、自分たちの将来性も見えてくるはずです。

 

会計事務所の将来性、給与水準を確認する

社内独立で、20代・入社3年で支店代表税理士に|ベンチャーサポート求人サイト

 

・一人当たり売上高と年間の拡大顧問先件数の把握

もう一つ、その会計事務所の成長性や将来的な給与・昇給判断としてやっておくべきことがあります。それは、会計事務所の「一人当たり売上」と「年間の拡大顧問先件数」といった数字の確認です。

これが何を意味するか?というと、自分の給与の源泉となる仕事がどれくらいあるのかを把握することで、給与の将来的な昇給イメージが描けるからです。

「一人当たり売上」は勤務している人も同じで、個人事業主と同様で、顧問先担当を一人どれだけ持ってどれだけの報酬単価で年間売り上げどれくらいが担当者の平均になっているかを把握します。会計事務所の給与はこの一人当たり売上が源泉となって、労働分配率によって計算されてきます。一人当たり労働分配率は会計事務所によって異なりますが、30%から高くても45%前後くらいでしょう。また、税理士事務所の仕事は一人だけで行えるものではありません。拡大件数の少ない会計事務所でも後輩社員の教育や決算等の管理、その他事務所の間接的な仕事があるわけですね。拡大している会計事務所なら営業、管理、教育、実務、など担当者業務以外にも色々な役割があり、自分の担当顧問先も一回り二周りもしていけば負担が少なくなってきてこの辺りの役割を担えるようになってきます。

会計事務所の人に「自分だけで仕事をやっていく意識が強い」という人もいるかもしれませんが、この考え、スタンスで仕事をしていると給与は必ず限界がきます。

自分の勤務している会計事務所の利益に貢献することで給与が上がるわけですね。拡大している勢いのある会計事務所には役割が多く存在している分だけ給与の幅も広くなってきます。もちろん、事務所が成長拡大していれば給与水準も高くなる可能性が大きいですが。

また、反対にこんなこともあるので気をつけなければなりません。

「事務所のために頑張ってるのに全く評価に反映されなかった。」

「顧問先規模が大きく、報酬も高いから給与も高いはず、なんて期待をしていたけど、規模が大きく時間もかかり担当件数持てなかったり、年功序列的な形で事務所内の役割が与えられなかったり」

その他事務所の環境も影響してきますからね。お気をつけください。

 

具体的な転職先の探し方

具体的な転職先の探し方

 

会計事務所の求人情報は主に下記で探すことができます。

1 会計業界に特化した求人サイトで探す

2 大手求人・転職サイト、求人情報誌で探す

3 専門学校の求人情報誌、合同就職説明会、求人情報から探す

4 ホームページで検索して個別に求人募集中の会計事務所を探す

5 ハローワークで探す

6 人材紹介会社に登録して探す

7 友人・知人から紹介してもらう

 

会計事務所経験者で本気で次の転職先を探しているなら、5のハローワーク以外の方法ですね。会計業界の情報、会計事務所の分析ができている人であれば見当もつけやすいので、自分で探すこともできるかと思いますが、それ以外の人であれば求人サイトが最も探しやすい媒体かなと思います。主体的にこちらから探すという意味で言えば、求人サイトの求人情報検索で下記の項目で絞込み検索をしていくのがお勧めです。

・職種・仕事内容で探す

・希望職種で探す

・規模で選ぶ

・給与条件の選択

・勤務希望地の選択

この辺の条件ですかね。絞り込まれた会計事務所の求人情報を読み込むとともに、その会計事務所のコーポーレートサイト、求人サイトまで確認をしていきましょう。

また、知人・友人の情報も入るのであれば積極的に仕入れていきましょう。

 

最後に

会計事務所・税理士事務所の求人時期は、一般に8月が多くなります。これは、税理士試験が行われるのが8月初めだからです。その後、手ごたえを元に求職活動に入るからです。

また、会計事務所側も夏は税務・会計業務が落ち着いていることが多く、これから雇ったスタッフを育てて年末調整や確定申告、3月決算といった会計事務所の繁忙期に備えます。

なお、次に多いのが12月、1月です。12月中旬に発表された税理士試験の結果を元に求職活動に入ります。会計事務所側も準備期間は少ないですが、3月の確定申告用スタッフとして経験者を採用しようと、多くの会計事務所が求人募集をしています。

ベンチャーサポート税理士法人では通年で未経験者、経験者の方を募集しております。ベンチャーサポートのように通年顧問先が増えるような会計事務所・税理士法人では随時、イケてる人材を求め求人募集を行っています。

 

税理士事務所の就職・転職情報サイトでは、この他にも税理士業界・会計業界に関する様々な情報を掲載しています。
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最後に、転職者の方に。

会計事務所の仕事は顧問先、社内の仲間たちといった人と人との人間的なアナログのやり取りりを通して、周りの仲間や顧問先を大切にし、切磋琢磨し、人間力も磨いていける魅力ある素晴らしい仕事です。より成長していける環境を見つけられることを期待しております。