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税理士事務所の繁忙期とそれを乗り越える方法

税理士事務所の繁忙期

税理士事務所の繁忙期は、中小企業の税務顧問業務が主にしている一般の税理士事務所でいえば、年末調整、所得税確定申告、3月決算申告といった3大イベントの時期ですね。

通常の法人顧問業務にプラスアルファで業務が求められてくるので、どうしても作業に時間がとられてしまいますし、期限もあるため気持ち的にも余裕もって仕事をすることが難しくなってしまう場合もあるでしょう。

 

この繁忙期ををどう乗り越えるか? 

この繁忙期ををどう乗り越えるか?

ただひたすら仕事をこなすという考え方では、毎年作業に追われ、何の成長もできないままルーチンワークとしての業務をこなすだけになってしまいます。

プロの会計人として繁忙期に意識してもらいたいことを挙げておきます。

(もちろん繁忙期に限ることではありませんが。)

繁忙期を乗り越えるために必要なこと

繁忙期を乗り越えるために必要なこと

1)資料回収準備を早期から始めること

 これは年末調整や所得税確定申告だけでなく、会計事務所業務全般に通していえることですが、資料・情報がない限り作業が前に進みません。なかなか資料を送ってくれない顧問先もあるとは思いますが、会計事務所が資料回収についてきちんと促していれば改善を図ることができるはずです。資料請求は前倒しで、期限を決めて請求します。期限までに資料が届かない場合には、届かなかった旨連絡して早急に送ってもらうことにしましょう。

 

2)資料が届いた後の資料確認

 顧問先から資料が届いた時には、必ず請求した資料が届いているか、不足があるかないか確認を必ず怠らないようにしましょう。その上で、顧問先に資料が届いたお礼の旨と不足の資料等があればその伝達をするようにします。顧問先からすれば資料請求だけしておいて、送った後に会計事務所側から何もリアクションがないと放って置かれた感が出てしまいます。

 

3)優先事項の確認と前倒し作業

 臨時業務と同時にもちろん、通常の月次業務や決算業務も行わなければなりません。年末調整や所得税確定申告に集中しすぎて、その後の決算や月次のスケジューリングを怠たり、後手後手の作業で顧問先に迷惑をかけてしまうことも考えられます。優先事項を毎日確認し、優先順位の高いものから作業を行うようにし、さらに時間が空いた時にはデータを先に作って、入力できる項目を先に生めておくなど前倒しできることは先に対応していきましょう。

4)作業だけで終わらすのではなく、結果の説明を必ず行う

 作業を行って、顧問先に郵送や手渡しをして終わりにするのではなく、必ず結果報告を行うようにしていきましょう。年末調整や所得税確定申告について感心をもっている社長さんは非常に多く、仕組みや計算過程まで聞いてくるケースが多いです。特にレアケースの事項が発生する場合等については、説明を怠ってしまうと、「何でこの金額になるの?」と問われて後手後手の説明になり、クレームを引き起こしてしまうこともありますからね。

5)入金してもらうまでが仕事

  臨時業務は特に料金を事前に説明していることが非常に重要です。作業後に、これだけ料金を請求させてくださいと伝えて、そんな金額かかるとは聞いてなかったということにならないようにしないといけません。料金の見積もり提示、ボリューム等が不明な場合には目安の金額等でも構わないので、事前に伝えることを忘れないようにしましょう。

6)顧問先との接触頻度を下げない

 あくまで繁忙期なのは会計事務所の業務の都合であって、顧問契約をしているお客様からすれば、それは相手の都合なんです。直接の打合せ等の日程が取りずらくとも、電話等で顧問先に連絡することはできますし、放っておかれたといわれないように接触頻度を意識するように心がけましょう。

 

以上、年末調整、所得税確定申告業務等の繁忙期を迎えるに当たって意識すべき点でした。

 

ベンチャーサポート税理士法人でも、顧問先のことを常に一番に考え行動できる担当者になってもらえるように教育・指導することを心がけています。

担当者は緊急性の高い目の前の作業に意識が集中してしまいがちなので、業務全体を見てバランスの取れた対応を意識してみましょう。

 

また、税理士事務所の繁忙期と「残業の実態」についてという記事で、税理士業界の繁忙期のリアルな残業時間を調査しましたのでぜひこちらも見てみてください。