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税理士試験は何科目あると就職に有利?

何科目合格してから就職をするのが良いのか? 

税理士試験は何科目あると就職に有利?

税理士事務所に就職を考える際に、多くの方が悩むことのひとつに、
「何科目取ってから就職をしたらいいのだろう?」
という疑問があります。

実際、会社説明会などでもよく質問を受けます。

こんな不安を持ってる方が多いようですね。

「1科目もないと本気度が伝わらないのでは?」
「科目数が少ないと、仕事に付いていけない?」

逆にこんな不安をお持ちの人もおられます。

「科目数が多いと、すぐに独立すると思われるのではないか?」
「科目数が揃うまで勉強するのは経済的にも厳しい。」

いったい何科目持ってるのが望ましいのでしょうか?

手元にあった税理士業界の就職情報誌を見てみると、
「税理士科目を2科目以上持ってる人」
という応募資格が多いように思いました。

通常2科目というと「簿記」と「財務諸表論」が多いでしょう。

この意図としては
「最低限必要な知識を持っているはず」
「2科目合格したのだから本気でこの業界で生きていく気概を持ってるだろう」
という事務所側の期待の表れと思われます。

監査法人系の税理士法人やBIG4系の監査法人では「3科目以上」という事務所もあります。

こういった税理士法人は専門性が高い仕事が多く、また求職者も多数いるため、門戸を敢えて狭めてふるいにかけることを意識してると思われます。

逆に「簿記2級程度以上」という事務所もたくさんありますし、「資格不問」という税理士事務所もあります。

これは「資格不問でもできるような単純作業をする」というわけではなく、資格よりも人間性やコミュニケーション能力の高い人を採用したいと考えているようです。

教育制度の自信がある事務所なども資格不問や簿記2級程度以上として、門戸を広げていると思われます。

こういった状況を踏まえて、私が思う一般的に就職しやすいタイミングは、ズバリ「簿記、財務諸表論を合格して、法人税は受験経験がある」です。

もちろん法人税を合格していることに越したことはないのですが、最難関の科目なので合格は至難です。

就職を急ぐ方であれば合格を待てない状況の人もいるでしょう。

実務では法人税の全体の体系を理解して、必要に応じて自分で調べて答えが出せる能力を持っていれば困ることはありません。

それは事務所側も十分承知しています。

可能であれば、消費税の勉強も一通りあるとベターですね。

「5科目を全部合格してから就職するのはどうか」という点について私見を述べておきます。

完全に私見ですが、お勧めはしません。

多くの会計事務所では「2年間実務経験を積んで資格を取得したら独立するのでは?」と疑いが生じるからです。

税理士事務所は最初の2年くらいは教育の時期と考えています。

2年くらいたつと一人前の担当者として事務所に貢献してくれると思っていますので、2年ちょうどで退職をされるのはガッカリするのです。

また5科目を合格するまでに年数を経過しすぎて、30代を超えると就職は厳しくなります。

未経験の方は20代の応募が非常に多いので、30代になるとどうしても敬遠しがちなのです。

非常に優秀で20代中盤で全科目が揃った、という方以外は全部揃ってから就職を考えない方が良いかなと思ってます。

とはいえ、働きながら科目合格を重ねるのは並大抵のことではありません。

働きながらの受験は、仕事と勉強の両立です。

家庭を持っている方の場合、仕事と家庭と勉強の3つを並立させなければいけません。

税理士になった人の多くの人が、そういった困難な道を経て合格してます。

周りの協力を仰ぎながら、強い気持ちで勉強してください。