こんにちは!ベンチャーサポートの古尾谷です。
自分も勤務時は2つの零細会計事務所で働いていました。
いわゆる町の会計事務所ですね。
前回の「会計事務所の規模」のところで挙げさせていただいたとおり、スタッフ5名以下の事務所を想定して今回の零細会計事務所への就職のメリット・デメリット、選ぶときの基準についてみていきます。
零細会計事務所への就職
この零細会計事務所は自分の家の周りを歩いていても気づくと「○○会計事務所」「○○税理士事務所」といった看板をいくつも見かけるのではないでしょうか。
またそれ以上に、自宅をオフィスにしているケース、マンションの一室をオフィスにしているケースが多いです。
おそらく、この零細会計事務所が全体の9割を占めているのではないかと思います。
開業間もない会計事務所もあれば創業30年以上のところもあり、所長税理士の年齢も20歳代から上は80歳代までとピンきりです。
税理士の年齢分布割合で言えば、20歳代は1%弱、30歳代でも10%弱となっており、40歳以降の税理士で残りの9割近くを占めているのが現状です。
税理士の平均年齢も知っておいたほうがよいと思いますので、お伝えしておくと平均年齢64.5歳です。
所長年齢ごとの会計事務所の特徴についてはまた言及していこうと思います。
税理士業界は平均年齢が高く、税理士業界の広告の規制緩和や報酬の自由化が行われたのも税理士法改正の平成13年ですから、それまで競争原理が働かず税理士法で守られていた税理士業界、ビジネスとして会計事務所の経営を考えていく歴史が浅いということがわかります。
昔は会計事務所に勤務するということは、「丁稚奉公」として働くという意味もあったくらいです。「丁稚奉公」っていう言葉さえ、今の人にとってはなに?って感じになるかと思いますが。。
この昔ながらの慣習的要素が今でも残っているケースが零細会計事務所に多くあります。
よくある昔ながらの零細会計事務所の特徴
・社会保険に加入していない、労働保険にも入っていないところもある
・所長の奥様や親族が手伝いとして社内にいる
・給与は業界水準と比較して低い
・クライアント対応は所長しかしていない
・教育制度はない
・職員に仕事を丸投げ、所長は事務所に来ない
・昇給や賞与が出るのかさえ不明確
どうしてもネガティブ要素的な方が多くなってしまいますね。
ただ、こういったことが当たり前の時代もありましたし、今でもこういった事務所はまだまだ多く残っているかと思います。
ただ、「職員に仕事を丸投げ」といった部分については全ての仕事が任されるという意味で事務所経営にかかわる全ての経験ができる可能性がありますね。
顧客対応を任してくれない零細会計事務所の特徴
・顧客対応はほとんど所長税理士が対応する
・顧客対応は任されても、重要な決算説明の時だけ所長税理士が出てきて対応させてくれない
・担当者ではなく、補助者としての立ち位置になるため給与は低い
・入力を中心とした作業的な部分が主な仕事
こちらもネガティブ要素の項目が多く、そのような表現になっていますが、会計事務所が全くの未経験で短期または割り切って次の転職のステップという位置づけであれば、仕事のプレッシャーも少なく、税理士試験との両立がうまくいくかもしれません。
雰囲気の悪い零細会計事務所の特徴
特に零細会計事務所の場合、人数が少ないため、意地の悪い先輩職員がいたり、所長がから毎度、怒号を浴びせられたりと、劣悪な環境では仕事の影響ばかりか精神的に病むところまで犯されてしまいます。
所長税理士が言うことは全てで、所長が黒のものを白と言えば白になる環境です。
所長や先輩税理士の顔色を伺いながら仕事をすることになるでしょう。
一般に良いとされる零細会計事務所の特徴
・所長の人柄が良い
・社員の将来のことまで一緒に考えてくれる
・所長、先輩がOJTで仕事を教えてくれる
・税理士受験の勉強の時間を気にしてくれる
・税理士受験生の給与は低い
・仕事ができるベテラン税理士は重宝される
・未経験者よりも2-3年以上の経験者が好まれる
ここまで良い事務所であれば、是非行きたいという方が多いのではないでしょうか。
会計事務所経験が2-3年以上あるが、税理士試験5科目合格まであと少し。
仕事のブランクは作りたくないし、税理士試験の勉強時間も確保させたいという方には非常に相性が良いかと思います。
ただ、将来、税理士としての更なるステップアップを求める人にとっては、再度の転職が必要になってきますし、零細会計事務所は人数が少ないため、切磋琢磨できる人が限られてきます。
自分の仕事を通しての成長、よりよいキャリアを積んで行きたい人は、規模の大きい税理士法人にチャレンジしていく方がよいかもしれませんね。
成長性著しい零細会計事務所の特徴
・顧問先が常に増えている
・所長税理士がマーケティングに積極的であり、規模を大きくしていく意思がある
・所長が一番仕事をしていていつも笑顔
・雰囲気はベンチャー企業のようで、人間関係の悩みは少ない
・教育している時間がとれず、採用は経験者中心
どの会計事務所も、独立税理士は誰でも例外なく零細会計事務所の規模からスタートすることになります。
5年後、10年後にはスタッフ10人、50人と増えている可能性もあります。
そんな将来性豊かな会計事務所に入社したい人は判断するポイントとしてどこを見ればよいでしょうか。
確認すべきは上記事項のみならず、所長税理士の考え方、子書類あの零細会計事務所であれば、事務所の規模を大きくしていく意思が所長税理士になければ顧問先は増えません。事務所を成長させたい、大きくしていきたいという夢が所長にあれば、面接でも夢熱く語ってくれるのではないでしょうか。
規模を大きくしてどういう会計事務所を作りたいのか?その所長税理士に是非、夢を聞いてみてください。
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